「健全なサイトも一緒くたになっている」
しかし、現行のフィルタリング原則化への動きには、批判の声もある。
DeNAは「モバゲータウン」の規制強化の発表とともに、
「当社といたしましては、青少年保護の為にフィルタリングサービスを普及促進することには賛成しております。一方で、現行のフィルタリングサービスでは、一律で閲覧制限され、社会的に意義のある健全なサイトなども閲覧不可能になることは問題であり、また一律の制限の仕組みが結果として普及の妨げになっている面もあるように感じております」
と現行のフィルタリング強化の動きに苦言を呈している。
携帯電話業界団体のモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)の岸原孝昌事務局長も、「『有害サイト』の定義が曖昧で、健全なサイトも一緒くたになっている」と現行のフィルタリングサービスを批判する。
「『有害サイト』の中身の議論がないままで、『モバゲー』がきちんと管理されたサイトであっても、コミュニケーションや書き込みがあるといっただけで、『学校裏サイト』などと一緒くたに『有害サイト』にされてしまっている。ネット上で意見を言うことさえも『有害』というのは行き過ぎで、未成年者のネットリテラシーが教育できない状況だ。成人になるまで成長させないで、成人になったとたんに『有害サイト』のなかに放り込むことになる」
MCFでは、2008年3月末を目処に、有識者などから構成された第3者機関を設立する予定で、健全な携帯電話サイトを認定するための基準を策定し、政府に現行のフィルタリングサービスを改めるよう求めていく方針だ。