ダイムラー方針で 三菱ふそうエンジン本体の独自開発から完全撤退

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ハイブリッドの開発リーダーといっても中途半端

   前述の通りハイブリッドシステムの開発のリーダーは三菱ふそう。ダイムラー・トラック部門の先進性の象徴であるアテーゴ・ブルーテック・ハイブリッドの総重量7.5t車には、三菱ふそう「キャンター・エコ・ハイブリッド」のパワートレーンが用いられた。ところが、総重量12t車には、米電装品メーカーのイートンの制御システムとフレートライナーの現行パワートレーンを組み合わせたハイブリッドシステムが採用された。

   三菱ふそうのハイブリッドシステムは大型トラックでは実績がないというのが理由のひとつだが、イートンはダイムラー・トラックグループの一員ではない。ライバルのボルボトラックスへの対抗を優先した結果、急造のハイブリッドシステムを外部調達で用意したわけだ。

   アテーゴ・ブルーテック・ハイブリッドの7.5t車は年内、12t車は2008年に実証試験がスタートする。これでは総重量が重いハイブリッド大型トラックの開発技術が三菱ふそうにはないといってるに等しい。

   三菱ふそうは小型トラックとハイブリッドの開発リーダーとされるが、小型ディーゼルエンジンの自社開発は取り上げられ、さらにハイブリッドの開発も中途半端となっている。ダイムラーの決定に悩む開発者もいる。

   とくに欧州、米国、日本での排出ガス規制強化によりディーゼルエンジンの開発者は現在、引っ張りだこの状態にある。インドのタタモータースやヒュンダイなど、欧米日以外のトラックメーカーが、大型・中型トラックのグローバル販売シェアで1位のシェア20%前後を有するダイムラー・トラック部門や、2位のシェア10%程度を持つボルボトラックスを追いかけ、ダイムラーも安穏とはしていられない状況にある。ダイムラーの高効率経営とグローバル販売シェアの維持、さらにトップメーカーとしての見栄により、三菱ふそうの技術・技能の流出が懸念されている。

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