中国、ロシアの消費急増 チーズ不足でピザ屋が倒産? 

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豪州の旱魃に牛の飼料代上昇も響く

   では、なぜ原料チーズの価格が高騰しているのか。雪印乳業は「複合的な要因です」と話す。日本のチーズの消費量は年間約27万トンで、このうち国産は約4万トン。残りの約23万トンが輸入だが、そのうちの7割がオセアニアからの輸入だ。原料チーズの価格高騰はオーストラリアで2年続きの旱魃があったことが影響。またバイオエタノールの影響で牛の飼料が高騰していることもある。ちなみに、日本でも酪農家の7割近くが牛の飼料の高騰で赤字経営に陥っているという情報もあって、かなり深刻だ。

   さらに、最近の急騰ぶりは中国やロシアの大量消費がある。中国やロシアは欧州からの輸入分も少なくなかったが、チーズなどの乳製品にかかっていたEUの輸出補助金が打ち切りになり、その分が商品価格に上乗せされて高騰したことで、オセアニアからの輸入を増やした。いままで日本に入ってきていたモノが中国やロシアにまわっているようだ。

   チーズを大量に使うといえばピザ店だ。2007年12月3日付の朝鮮日報はチーズ価格急騰で、ソウル市内などのピザ店が相次いで倒産していると報じている。チーズ卸業者のアセルフードのオ・ジョンギョン氏のコメントとして「ピザ業界はアジア通貨危機のときより深刻な状況だ」としている。

   宅配ピザの「ドミノ・ピザ」を展開するヒガ・インダストリーズによると、「日本ではまだ、それほどの影響はありません」という。

   ただ、「ピザ屋さんも最近はオセアニアから直接輸入している場合があるようですから、急騰した分を商品価格に転嫁できなければ、倒産もあるでしょうね」(六甲バター)と、深刻な事態になりつつあることを否定しない。

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