ライン引きに使う消石灰 「失明の危険」に注意喚起

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農業では両眼失明という最悪の結果も発生

   もっとも、消石灰は学校現場だけで使用されている訳ではなく、農作業で、土壌を消毒するなどにも広く利用されている。そんな場面での事故も報告されている。91年7月、49歳の女性が農作業中、両眼に農業用石灰(消石灰)が入った。右目の角膜はアルカリで腐食溶解したため、05年に2度にわたって角膜移植を行うも、結局は両眼とも失明するという最悪の結果となった。

   この消石灰、畑仕事以外の農業分野にも活用されている。例えば、07年1月に鳥インフルエンザが発生した宮崎県では、養鶏場の消毒に「活躍」。インフルエンザ「鎮圧」後も、県では今後の対策にも生かしてもらおうと、10月末から11月下旬にかけて、養鶏農家約960戸に対して、4000万円を投じて消石灰5万袋(1袋20キロ)を配布した。消石灰の有用性が高く評価されているあらわれとも言えそうだ。

   県の畜産課に、消石灰の危険性について聞いてみると、

「生石灰(酸化カルシウム)は、水を加えると発熱して特に危ないので、その旨注意喚起しています。消石灰については、粘膜に付着すると危険ですが、農家の皆さんも、そのことはすでにご存じだと思いますし、適宜注意喚起していきます」

との答えが返ってきた。「農家は、普段通り注意してほしい」とのスタンスのようだ。

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