自民、民主は中央・地方で思惑違いが
それにも増して、各党の戦略が不透明だ。
自民党による橋下氏擁立話も、実は、裏事情があるとの見方がある。産経新聞は12月5日付記事で、「橋下氏の名前浮上は、自民の中央政界筋からとみられている。自民党では前々回平成12年の選挙で、党本部が推薦する太田氏と府連が分裂し、別候補を立てた経緯がある。政党関係者は『自民は今回も党本部が主導権を握ろうとし、橋下氏の線をなくすためにリークしたのかもしれない』」と報じた。
また、自民、公明両党には、相乗りを目指す動きがある。朝日新聞の12月2日付記事では、「民主が独自候補擁立を打ち上げ、その候補の要請を受ける形で自公が相乗りする」という戦略を紹介している。「首長選での『原則相乗り禁止』の民主の顔も立ち、対立したくない自公にもメリットがある」という。
一方、民主党にも、府連内に同様な戦略の相乗りを目指す動きがあるものの、小沢一郎代表ら幹部は、相乗りはせず、独自候補を擁立するよう府連に指示したと報道された。各党で中央・地方のねじれがあることも、選挙を分かりにくくしている。
今回の府知事選に対するネットでの反応はどうか。
ミクシィの日記を読むと、タレント候補や相乗りには、嫌悪感を示す意見が多い。例えば、「人気取りじゃなくて実績や政策で勝負しろよ。タレントを隠れ蓑にして操ろうとして甘い汁吸うことばっか考えてるからこんな策しか浮かばないんだよ」「前回の太田房江のような、"自民公相乗り候補者"だけはやめて欲しい」など。
一方、次のように、著名人に期待する声もあった。
「民主党は江本孟紀でも担がへんかなー。(中略)漫画トリオつながりで、ノックと組んでいた上岡龍太郎や、島田紳助タレントでもおもしろい。大阪府知事は官僚じゃなくて、宮崎の東国原知事のようにメディア露出できる人物が適任だと思う。誘客に結び付くような」
1999年の東京都知事選も、キラ星のごとく著名人が目立った選挙戦だった。このときは、現知事の石原慎太郎氏が告示直前に登場して、自民、民主の有力候補を振り切った。名前だけは著名人ぞろいの大阪府知事選でも、こうした「どんでん返し」があり得そう!?