自民党が2008年1月の大阪府知事選に橋下徹弁護士(38)を擁立するとの報道について、橋下弁護士の所属事務所は、2007年12月5日、橋下弁護士の出馬の可能性を完全否定した。新聞報道では「本人も了承している」という情報もあったが、同事務所は不出馬の意向を「本人に確認している」としている。では「自民党擁立」報道はどこから出てきたのか?
自民党幹部が立候補の意志を確認した??
橋下弁護士は大阪府知事選への出馬を完全否定
2007年12月5日の朝日新聞、共同通信、毎日新聞はそろって、自民党が2008年1月に行われる大阪府知事選に橋下弁護士を擁立する方針を固めたと報じた。自民党は、11月3日に出馬断念を表明した太田房江知事(56)の後継となる候補者選びを進めているが、橋下弁護士の擁立については、朝日新聞は「本人も了承しているといい、今月中に記者会見を開いて正式発表する見通し」、毎日新聞は「自民党幹部が3日、橋下氏と会い、立候補の意志を確認した」とまで報じていた。
橋下弁護士が所属する芸能事務所タイタンはJ-CASTニュースに対し、「出馬はまったくない」と全面否定している。
「(事務所)社長が本人に直接確認している。出馬がないので、出馬会見も当然ないでしょう」(担当者)
と話している。大阪市にある法律事務所の事務局担当者も、
「出馬しないということで連絡が本人からあった。裁判書面の作成で缶詰状態になっているようで、(橋下弁護士は事務所に不在で)連絡が取りにくくなっている」
一方、自民党府連は「(橋下氏擁立の話は)幹部から情報が来ていないので把握していないですね。速報ニュースでご本人は100%否定しているようですが、話が下りてきてませんからわからないですね」と述べていた。
大阪市長選への出馬も取りざた
橋下弁護士は、07年10月にも大阪市長選への出馬が取りざたされたが、山口県光市・母子殺害事件について「懲戒請求」を呼びかけたとして、被告の弁護士4人から損害賠償請求された問題に取り組むほか、仕事や生活を変えることはできないとして、自民党からの出馬要請を固辞した経緯もある。
橋本弁護士のホームページによると、同氏の2007年12月のテレビ・ラジオ出演数は36回、放送局も7局に上る。これに弁護士の仕事が加わるのだから、かなりのハードスケジュールを強いられており、全てをキャンセルして府知事選に臨むのもそれはそれで大変そうだ。
一部報道では、橋下弁護士は自民党からの出馬要請を断ったと報じられているが、それならば、3大メディアがそろって報じた「橋下氏擁立」情報がどこから出てきたのか、謎は深まるばかりだ。