国際金融市場を混乱させかねないとの不安
オイルマネー自体の取り込みについては、東証が米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)と、イスラム法(シャリア)に対応し、酒やたばこなどの関連銘柄を外した日本株指数「S&P/TOPIX150シャリア指数」を開発して12月から配信するなど、市場の期待は高まっている。
しかし、各国が政府系ファンドを手放しに歓迎しているかといえば、そうでもない。政府系ファンドは今秋の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でも初めて議題に上った。世界中に300兆円ともみられる政府系ファンドの動向が、国際金融市場を混乱させかねないとの不安が膨らんだためだ。
実際、27日の東京株式市場では、日経平均終値は続伸したものの、午前中には前日終値比300円超も下落、午後には同500円超も跳ね上がるなど大きく乱高下している。
「オイルマネーがサブプライムへの投資を主導した」(市場関係者)との説もあり、米シティへの出資を苦々しく思う関係者もいる。政府系ファンドに対する市場の期待と不安は交錯している。