キヤノンの消耗品ビジネス「勝訴」でも消費者の不満強く

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低価格のリサイクル品がシェアを拡大

   一方で、消費者の不満は強く、低価格のリサイクル品がシェアを拡大している。調査会社のBCNによると、カートリッジ市場のシェアは05年にセイコーエプソンとキヤノンの2強で計87.5%を占め、リサイクル業者最大手のエコリカは3.8%に過ぎなかった。07年10月は2強が計81.9%に低下したのに対し、エコリカは8.7%に上昇した。

   環境配慮の観点からもリサイクル品への需要が高まるのは確実だ。メーカー側は「使用済みのカートリッジ向けに量販店などに回収箱を設置し、熱源として燃やすなど再利用している」と説明するが、「リサイクル対策として不十分」との指摘は少なくない。

   今回の最高裁判決は特許権侵害の基準は示したが、直ちにリサイクル市場全体の流通を禁じるものではない。この判決の直後、エプソンがエコリカを相手取って、カートリッジのリサイクル品の販売差し止めを求めていた訴訟の上告審判決もあった。この判決では、最高裁はエコリカによる特許権侵害を認めず、エプソンの敗訴が確定している。

   年賀状やクリスマスカードのシーズンを迎え、家庭ではプリンターを使った印刷が盛んだ。知的財産の保護は重要だとしても、メーカー側は消費者の立場に立った販売政策を迫られている。

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