霊感商法に悪用されるケースも
オウム真理教の事件以降、テレビ各局では、霊能番組などを自粛していた。それが、こうした番組は視聴率が取れると最近になって次々と復活させたようだ。そして、スピリチュアル番組の悪影響は、社会に広がっている。全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士によると、霊感商法の勧誘にも番組ビデオなどが巧みに利用されているというのだ。
「口当たりのいい言葉で被害者に近づき、ビデオを見せたりして、まず霊的な関心を持たせます。そして、次第に心を支配し、金品を奪って骨までしゃぶるようになるのです。それも、被害が顕在化するのは、何年もたってからのことが多い」(紀藤弁護士)
紀藤弁護士によると、スピリチュアルブームになった2006年から、こうした勧誘が増えているという。国民生活センターによると、霊感に訴える「開運商法」は、06年度には全国での相談件数が4年前の倍近い約3000件に達しており、被害金額も約27億円に膨れ上がっている。
前出の連絡会は07年2月21日、タレントらが「霊界やオーラが見える」と断言するなどして、霊感商法の勧誘を容易にする素地を作っているなどとして、民放連や各放送局に対し、行き過ぎの是正を求める要望書を提出した。さらに、12月4日午後1~5時には、この問題における初の電話相談窓口「スピリチュアル・霊感被害110番」(03-3501-7071)を実施することにしている。
霊感商法を手掛けているのは、紀藤弁護士によると、9割以上が世界基督教統一神霊協会(統一教会)だという。
そこで、J-CASTニュースが、統一教会の広報に聞くと、
「一部週刊誌で昨年、タレントビデオで勧誘していると報道されましたが、そういうことは一切ありません。霊感商法で金品を奪っているということも、事実に反しています」
との答えが返ってきた。