ドライバーが一緒に行動し、記録を付けている?
その「物証」として、宴席が開かれたとされる06年12月4日に、財務相が18時から銀座で家族と会食した時の写真や、その後に永田町で行われた勉強会の録音テープなどが挙げられた。デジカメ写真の属性データまで公表されており、撮影されたのは、同日の19時51分であることも判明している。
その約2時間半後には民主党側も会見を開き、山岡賢次国対委員長が反論した。自民党側が提示した写真については、
「アリバイを作ろうと思えば、今は数字はデジタルでいくらでも入りますから」
と、半ば「証拠は捏造」との見方を示す一方で、民主党側が守屋容疑者から宴席について聴取を行っていたことを明らかにした。聴取は07年11月21日から22日にかけて2度にわたって行われ、守屋容疑者は
「(財務相の宴席出席は)間違いない。ドライバーが一緒に行動し、記録を付けている」
などと話していたという。
このように、現在まで、財務相と守屋容疑者の言い分は平行線をたどってきた。
なお、参院財政金融委員会は同日、財務相と守屋容疑者への証人喚問を12月3日に行うことを野党だけで議決している。喚問の場で両者の「ガチンコ対決」が行われるものとみられていたが、守屋容疑者の逮捕で喚問の実現は流動的になっており、真相が明らかにならない可能性もでてきた。
もっとも、財務相は1998年には防衛庁長官(当時)を、01年には経済財政政策担当大臣を、それぞれスキャンダルで辞任したという過去があり、今回のスキャンダルで「炎上」すれば、今度こそ命取りになる、という見方もささやかれている。