1歳2カ月の女児の心臓移植のため募金活動を行っている「救う会」の方針に対してバッシングが起きている。必要な費用は8800万円。「救う会」のホームページには、「一家の生活レベルを維持し、私財を削らず、費用すべてを募金で賄う」と書かれている。これに対してネット上には、「私財削って借金してでも治療させるのが普通の親ではないか」などという批判がでている。真相はどうなのか。
「私財を削らず」という部分に反響
「救う会」の方針をめぐって波紋が広がっている
「救う会」は「ほのかちゃんを救う会」といい、方針としてこう書かれている。
「穂香ちゃんの心臓移植に対し、福本夫妻が私財を削り、それでも足りない費用を募金で集めるのではなく、あくまで福本夫妻が私財を削らず今の生活を維持したまま、ドイツへ渡り心臓移植を行い、ほのかちゃんのリハビリを経て、日本に帰国した際に以前と同じ生活ができる」
必要な費用は8800万円で、これは心臓移植のための医療費、渡航費、現地滞在費、事務局経費にあて、それ以外のものには募金を使用しない、としている。
ネットでは「私財を削らず」という部分が相当な反響を呼んで、
「全額負担してくれとはもはや支援でもなんでもない」
「厚顔無恥とはこのことだな。いくら子供が病気で手術の費用がかかるからって自分の金を使おうとせず人の財布をあてにするなんてよ」
「う・・・この姿勢はよろしくない・・・袋叩きにあるぞ・・・」
など、この募金を題材にしたブログのコメントや、「2ちゃんねる」などのカキコミでバッシングが起きている。
もちろん、海外での手術には相当な費用がかかるだけでなく、手術後もケアが必要であり、一家も生活していかなければならないわけだから、「私財」が残っていることに越したことはない。募金活動に新たな考えを導入したのかもしれない。「ほのかちゃんを救う会」にJ-CASTニュースが取材すると、全く違った答えが返ってきた。
実は「削るほどの私財を持ってない」
同会代表の田中初さんは、J-CASTニュースの取材に対し、この文章は「救う会」全員で考えたものだとしながら、
「実は、『私財』部分の表現が変ではないか、という意見が最近、会員の中から出てきまして・・・。第三者には説明不足だったと申し訳なく思っているんです」
と話した。
「救う会」は、穂香ちゃんの父親(28)の大学の同級生や幼なじみを中心として発足していて、一家の「私財」のくだりについては、「みんなわかっている」(田中代表)ことだから、なんら疑問を持たずに書いてしまったのだという。つまり、一家は「裕福じゃない」(同)状況で、これまでも穂香ちゃんに治療費がかかっている。さらに、今後、父親が会社を休むことが増えるが、母親は穂香ちゃんに付きっ切りで共働きもできない。手術が終了しても同じ状況で、「削らない」、のではなく「削る私財がない」という事だったようなのだ。
田中さんによると、穂香ちゃんは、半年以内にドイツで移植手術を受けなければ危険だと医師から言われているのだそうだ。目標募金金額8800万円に対し、07年年11月 20日現在の募金額は約1202万円になっている。