「カローラ」対「フィット」熾烈戦争 07年の新車販売「年度なら逆転か」

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鍵は「安価・低燃費」への判断

   一方のホンダは10月26日にフルモデルチェンジしたフィットを発売。モデルライフの平均月販計画は1万2千台で、12月末までの累計受注目標は6万台とした。初代と2代目とで外観に大きな差がないことが販売の不安になっているが「この車はお客様のニーズを考えて大きく変えなかった」(西前ホンダ執行役員)というように販売の立ち上がりは好調。発売後2週間で累計受注台数は約2万台になった。

   しかも受注の半数はホンダの管理顧客以外の新規客であり、ライバル車との競合に打ち勝っている。2007年度の残りとなる11月から2008年3月までの5か月間は、新車の最大需要期である2、3月が存在する。フィットの供給力は月間1万8000台とされ、カローラシリーズ3車型の販売には十二分に対抗できる。このため4~10月の販売実績でカローラが得たフィットとの差である約2万2000台は無いに等しい台数となる。2007年度末にカローラとフィットが新車販売トップ争いを繰り広げる実現性は高まっている。

   追いかけるフィットが優勢のようでもあるが、トヨタ陣営にはヴィッツや「パッソ」、「bB」といったコンパクト2ボックスのライバル車がある。ヴィッツは8月にマイナーチェンジを行い2007年度の販売で年間12万台超を見込んでいることから、フィットにとって大きな障害となる。さらに平均月販計画は5000台と少ないが、2007年7月にフルモデルチェンジしたマツダ「デミオ」もフィットのライバルだ。数多くの毎日の足代わりとして「安くて燃費の良いコンパクトカーならなんでも良い」と考える客層がどのように動くかが鍵だ。最後に笑うのはトヨタかホンダか、予測がつかない状態となっている。

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