GT-RとランエボDCT採用 自動車変速機に新たな競争

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AT、CVT優位の日本ではDCT入り込む余地は少ない

   GT-RとランエボがDCTを採用したのはスポーツカーとしての性能を確保しながら3ペダルMTの煩わしさを解消し、ユーザーを広げるのが狙い。ランエボは20、30代だけでなくドライビングを好む40、50代にも売り込む。「だれでも、どこでも、どんなときでも最高のスーパーカーライフを楽しめる」を標榜したGT-Rは伝達効率の高い2ペダルの変速機を必要としていた。

   DCTは今後、スポーツカーだけでなく普通の乗用車にも搭載が進む見通しだ。ダイムラーから分離したクライスラーは前輪駆動(FF)車をATからDCTに切り替えることを決めた。2012年にはクライスラーのFF車150万台がすべてDCTになるという。ボルグワーナーがクラッチなど主要部品を供給する。欧州でもフォルクスワーゲングループを追って、有力メーカーがMTからDCTへの置き換えを進めると見られている。

   日本はどうか。世界でも有数のAT、CVTの生産設備がDCTの採用にはネックになる。クライスラーが全面採用に踏み切ったのはATが製品、生産ラインとも古く、切り替え時期にきていたことが大きい。その点、トヨタ、日産、ホンダともAT、CVTの生産工場はしっかりしておりDCTが入り込む余地は少ないというわけだ。

   世界的にはDCTは走行性能の面でも燃費の面でも製品企画の選択肢のひとつに食い込んでいくだろう。生産台数の増加に伴いコストの不利も解消されていく。トランスミッションの争いも激しさを増しそうだ。

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