長谷川洋三の産業ウォッチ
食品輸出:キッコーマンと小泉元首相の「相思相愛」

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「高くてもおいしい農林水産物を作ってどんどん世界に広めよう」

   大連立騒ぎの微妙な余韻が残る2007年11月8日、キッコーマンの米国進出50周年を祝う祝賀パーテイに小泉純一郎元首相が出席し、元気な小泉節を披露した。小泉前首相は総理在任中に世界に日本のおいしい食品を普及させることをねらいに農林水産物輸出促進全国協議会を作り、自ら名誉会長として旗振り役を演じている。

   日本の伝統の味である醤油を世界に広めたキッコーマンの茂木友三郎会長は、いわば小泉構想推進の典型例を実現したわけで、同協議会会長として最高のイベントとなった。

   キッコーマンの2007年度業績は北米を中心に海外で醤油販売や卸事業が好調で、増収増益の連続記録を更新する見込み。連結利益の半分以上を海外が占める勢い。「日本の食文化を海外に広めるには食文化の交流が重要だ。米国で作ったビジネスモデルを世界に広めていきたい」--。小泉さんのエールに喜色満面で応えていた。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。
BSジャパン解説委員。
1943年東京生まれ。元日本経済新聞社編集委員、帝京大学教授、学習院大学非常勤講師。テレビ東京「ミームの冒険」、BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスターを務める。企業経営者に多くの知己があり、企業分析と人物評には特に定評がある。著書に「クリーンカー・ウォーズ」(中央公論新社)「ウェルチの哲学「日本復活」」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)、「ゴーンさんの下で働きたいですか 」(日経ビジネス人文庫)など多数。


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