逆転現象はしばらく続く?
企業の足元の業績は悪くはない。好調な業績を背景に、また投資家への利益還元の一環として、配当金を引き上げる傾向にあるほどだ。サブプライム問題などの理由で株式の「売り」が先行して「計算結果として予想配当利回りが高くなっているにすぎない」(岡三証券のアナリスト・宮本好久氏)という。
長期金利と上場企業の配当利回りとの逆転現象について、宮本氏は「(この状態が)しばらく続く」とみている。株式が割安だといっても、ピンポイントで「底」を予知することは至難のワザなのだ。
ある銀行系証券のエコノミストは長期金利が「1.3%台までは下がる」というし、「日銀は金利の引き上げのタイミングを完全に逸した」とみるエコノミストもいる。株を売って債券に投資する、この「流れ」は当面止められないようだ。