アップルが発売した新OS(基本ソフト)「Mac OSX Leopard(マックオーエステン・レパード)」の出足が好調だ。発売4日足らずで全世界の販売数が200万本を超え、国内のOS販売シェアでも最大手のマイクロソフト(MS)を圧倒した。これまで、Macユーザーにだけ注目されがちなアップルの新OSだが、「レパード」の投入で「MSからの乗り換え」も進んでいると、アップル側は意気揚々だ。
アップルのべースが広がってきている可能性がある
アップルの新OS「Leopard」が好調だ
調査会社のBCNは2007年11月13日、OSやパソコンの販売動向をまとめた調査結果を発表した。そこで、歴然となったのはアップルが2007年10月26日に発売した新OS「レパード」の猛烈ともいえるシェア拡大だ。
BCNの調査によれば、07年10月のOS全体の販売本数(既存店ベース)は前年同月と比べて約2倍の水準になり、国内OS販売シェアでは10月のアップルは65.2%と、9月の17.4%から急激に伸びた。その影響で、マイクロソフトの10月シェアは28.7%で、9月の75.3%から急激に落としている。
BCNはJ-CASTニュースに対し、「新OSとしては急激に(シェアが)立ち上がっている。Macのヘビーユザーの『買い替え』がまずある」と今回のアップルの躍進を説明する。Macユーザーのみが、MacのパソコンのOSを新しいものに入れ替えるために新OSを購入するケースが多い、ということだ。
05年4月に当時の新OS「Tiger(タイガー)」が発売された際も、アップルのOS販売シェアは51.2%にまで躍進し、MSのシェアを抜いた。しかし、その後は新OS発売前と同様に、OSのシェアではおおよそ「8対2」とMSが断然優位であるという図式は変わらなかった。そのため、今回のアップルの躍進をMacユーザーの「買い替え」による「一時的」な現象と見る向きも少なくない。
しかし、「レパード」の躍進は、「タイガー」の時に比べてもシェアで10ポイントも上回っていることに加え、「ピークは11月になる可能性がある」(BCN担当者)というぐらい、勢いがあるのだ。
「これまではMac OSで(MS社製の)Windows(ウインドウズ)が使えないという制限があったが、新OSではブートキャンプでMacからもWindowsが使えるようになったという点が大きい。今回のシェアは販売直後の最大瞬間風速のようなもので、アップルがMSを逆転するとは考えにくい。ただ、アップルのべースが広がってきている可能性があり、右肩上がりに伸びる可能性もある」(BCN担当者)
事実上Windowsを使用できるようになったのが大きい?
「レパード」が備えている「ブートキャンプ(Boot Camp)」機能は、Windowsに対応するアプリケーションが必要な場合は、Windowsをインストールすれば、Windowsも実行できるというもの。つまり、MacのOSを備えたパソコンでも事実上Windowsを使用できるようになり、これまでWindowsしか使えなかったユーザーでも、Macを使いながら必要に応じてWindowsを使う、といったことも可能になったのだ。
アップルは「レパード」発売からわずか4日後の07年10月30日に、販売数が全世界で200万本を突破したと発表。アップルのCEO・スティーブ・ジョブス氏は、
「レパードは早くもお客様のあいだで大ヒットとなる兆しを見せています。レパードの革新的な特徴は各方面で高く評価されており、これまで以上に多くの人がMacに乗り換えることを考え始めています」
とコメントしている。ここでいう、「乗り換え」とは、当然「MSからアップルへの乗り換え」を指す。
アップル・ジャパン広報はJ-CASTニュースに対し、「Macの優れた機能を知って、Macを始めてみようという人が増えてきている状況だと考えている」と述べており、「レパード」の躍進による「MSからの乗り換え」に大きな期待を寄せている。