作品フィギュアで宮崎駿監督が激怒 「トトロを脱税の道具にするな!」

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   「となりのトトロ」「もののけ姫」などスタジオジブリ一連の作品のキャラクターのフィギュア(人形)を製作・販売していたコミニカが、約5700万円を脱税していた。東京地検特捜部は2007年11月12日、社長と社長の夫の元弁護士を逮捕した。同社はジブリ唯一の公認製作会社だっただけに、監督の宮崎駿さんはトトロを脱税の道具にされた、と怒りが収まらない。

キャラクタービジネスは基本的に水物

コミニカ」のウェブサイトには、ジブリ関連のフィギュアが紹介されている
コミニカ」のウェブサイトには、ジブリ関連のフィギュアが紹介されている

   コミニカは1995年に設立され、98年にスタジオジブリとライセンス契約を結んで以降、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」といったアニメの登場人物のフィギュアを中心に制作・販売するようになった。今回の法人税法違反容疑は、05年2月期までの3年間で約1億9800万円の所得を隠し、法人税約5700万円を免れた疑い。社長の大久保恭子容疑者(52)と夫で元弁護士の竹原隆信容疑者(49)が逮捕されたが、脱税の手口は、外注先の香港の会社に水増し代金を支払い、その水増し分の金をバージン諸島のタックスヘイブン(租税回避地)のダミー会社の口座に送金させるというものだった。

   TBS系のニュース番組「イブニング5」は、07年11月12日の放送で今回の事件を取り上げた。記者が大久保社長を直撃すると、大久保社長は記者に対し、

「誹謗中傷には戦いますので、お答えできませんね!」

とキレた様子で語っていた。記者は、

「誹謗中傷ですか?」

と、その返答に驚いていた。

   宮崎さんは、

「(キャラクタービジネスは)基本的には水物。売れるときに全部売っちゃおうとか、経営が苦しくなると乱暴なことを始める。僕らはトトロというキャラクターを、売れれば何でもいいから売ればいいとは思わなかった。商品化も極力抑えていたのに」

などと怒りを露にしていた。

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