道交法では「ハイビームが基本」
日本自動車連盟(JAF)によれば、道交法では「ハイビームが基本」だが、自動車が少ないときに制定された法令であるため、「クルマの多い今の状況では、普段はロービームで、暗くて対向車がない場合はハイビームというが適切になってきている」と指摘する。しかし、ハイビームやロービームの切り替えは「最後はドライバーの判断ということにならざるを得ない」とも述べる。
こうした事情から、「ハイビーム指導」を行っている県警も、ハイビームを全面に強調できない側面もある。
「(ハイビーム指導には)難しい面もある。都会などはクルマが途切れなく走っているからアップライトにするのは難しいということで、どの場所でもハイビームにしてくれという広報はできないんです」(富山県警交通企画課)
「ハイビームは迷惑」という意識が強いドライバーが多く、なかなかロービームに切り替えるという習慣が根付きにくいというのが実情だ。実際、ハイビームで走ったら走ったで、切り替えるのを忘れてハイビームにしたまま街を走行、歩行者から「眩しい」と反発される例も見受けられるという。
「民族性といいましょうか、ほとんどのクルマが下向き」(青森県警)「下向きに慣れて習慣になっている」(富山県警)というように、なかなか「基本はハイビーム」は根付きにくい状況だ。