羽田空港の国際化に注目が集まっている。2007年9月から中国・上海への就航が始まり、ビジネス客を中心に利用状況も好調なことで、アジアの近距離路線を中心に羽田空港の国際線枠の拡大を求める声が大きくなってきた。
羽田―中国・上海便ファーストクラスも「満席」
羽田の国際線枠拡大を求める声が大きくなっている
2007年9月、羽田空港と中国・上海の虹橋空港を結ぶ定期チャーター便が、1日4便行き来するようになった。就航1か月が過ぎたが平日のビジネス利用を中心に利用状況も好調。JALによると、「この1か月の搭乗実績は60~70%でしたが、認知度の上昇とともに利用は増加しています」(広報部)としている。10月28日からは利用増を見込んで大型機を投入。他社に先駆けて導入したファーストクラスも「満席になっている」という。
国は「国内線の羽田、国際線の成田」の大原則を変えていない。しかし、羽田の定期国際線として03年11月から就航している韓国・ソウルの金浦空港便は単価の高いビジネス便として「ドル箱」路線といわれている。金浦空港の就航時、国は「国内線の羽田と国際線の成田」の整合性をとるために、国内線の最長路線(羽田-沖縄・石垣島線)よりも短距離であることという理屈をつけた。「羽田-上海・虹橋」もその理屈だ。
日本航空(JAL)が発表した07年9月中間期決算によると、当初苦戦が伝えられていた国際線の収支が大きく改善し、連結営業利益が566億円と前年同期の81億円から急回復した。ベトナム便やインド・デリー便が好調だったが、不採算だった「成田-ラスベガス」「成田-ロサンゼルス」などを運休し、「成田-香港」などの路線を減便した。