枝川二郎の「マネーの虎」
米国株はなぜ上がり続けるのか 「バーナンキ・プット」が支える

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「グリーンスパン・プット」を継承するバーナンキ議長

   グリーンスパン・プットというのは「グリーンスパンが株価を支えてくれる」という意味だ。簡単に言うと、株価が下がるとグリーンスパン(FRB)が公定歩合を下げてくれる。そこで株価は金利の下落に反応して上昇し始める、というわけだ。ちなみに、「プット」とはオプション用語で「株式などを決められた値段で売れる権利」のことをいう。

   しかし、株価を上げるために金利を下げる、というのは明らかに「邪道」である。しかも、株価を支えるということは、投資銀行家やヘッジファンド経営者といった金持ちをさらに儲けさせることにつながる。そこでグリーンスパンを継いだバーナンキ新FRB議長は路線を変更して「正しい」金融政策を行うはず、とみられた。

   結果はどうか?なんと我々は「バーナンキ・プット」なる新語を耳にすることになったのだ。つまり株価はバーナンキ議長が支えてくれる、ということだ。彼はサブプライム問題が表面化した8月前半こそ利下げに抵抗していたが、8月17日に公定歩合を、9月18日にFFレート(銀行間の取引金利)を下げた。そして、10月31日には公定歩合とFFレートの両方を下げた。言うまでもなくアメリカの株式市場はそのおかげで好調を維持している。

   バーナンキ氏の神通力が衰えない限り、アメリカの株価は高値を維持しそうだ。


++ 枝川二郎プロフィール
えだがわ じろう  国際金融アナリスト
大手外資系証券でアナリストとして勤務。米国ニューヨークで国際金融の最前線で活躍。金融・経済のみならず政治、外交、文化などにもアンテナを張り巡らせて、世界の動きをウォッチ。その鋭い分析力と情報収集力には定評がある。


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