枝川二郎の「マネーの虎」
米国株はなぜ上がり続けるのか 「バーナンキ・プット」が支える

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   日本の株価を左右する要素は色々あるが、最も重要なのがアメリカの株式市場の動向だ。なにせ、日本人は他人に影響されやすい。朝起きてニューヨークの株価が上がっていると、その日の日本の株価も上がりやすいし、ニューヨークが下がっていると日本もつられて下がりがちだ。アメリカの株式市場を知らずして日本の株式市場は語れない。

過去20年間も続いてきた米国株の上昇

   過去20年間のアメリカの株価の動きを振り返ってみよう。まず1987年から1999年までの12年間でダウ株式指数は着実に上昇した。1987年10月のブラックマンデーの後に2,000ドルを割ったダウは1999年には10,000ドルを超えた。そして1999年以降は紆余曲折があるものの、ほぼ現状維持からやや上昇傾向で進んできた。つまり「アメリカの株を持っていれば損をすることはない」という状況が20年間続いてきたわけである。その間に1997年のアジア危機、1998年のロシア破綻、2000年のITバブルの崩壊、といったことが起きたが、すべて乗り越えた。07年夏のサブプライム事件の後もダウは史上最高値を更新した。投資家にとってこんなに頼りになるマーケットはない。

   なぜ、このような状態が続いてきたのか?そのキーワードは「グリーンスパン・プット」である。グリーンスパンとはアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)の元議長。FRBはアメリカの金融政策を決定する機関であり、世界の金融政策をリードする役割を持つ。そのためFRB議長こそ「世界で最も影響力のある男」であるとも言われる。グリーンスパンは1987年から2006年までの20年近くをこの地位で君臨してきた。

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