渡辺主筆の大連立「政治介入」 ネット上では批判目立つ

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   「大連立構想」をめぐって、民主党の小沢一郎代表の「辞意・続投騒動劇」が波紋を呼んでいるが、「仕掛け人」とされる読売新聞本社会長・主筆の渡辺恒雄氏の動きについて「メディアが政治に介入していいのか」といった批判も相次いでいる。とりわけネット上では厳しい見方が目立つ。

「そんな宝塚みたいなこと言って」と吼える

読売新聞主筆の「連立画策」について批判が相次いでいる
読売新聞主筆の「連立画策」について批判が相次いでいる

   各メディアが報じている「連立画策」の動きをまとめると、渡辺氏は、読売新聞の07年8月16日に「大連合のすすめ」の社説を執筆し掲載。この社説の掲載後、渡辺氏は民主党・鳩山由紀夫幹事長、小沢一郎代表らに「大連立」の話を持ちかけ、福田康夫首相と小沢代表の党首会談が実現し、あの民主党の「ドタバタ劇」に至ったとされている。

   まさに渡辺氏は、「大連立」の「仕掛け人」として、福田首相周辺や民主党幹部に働きかけていたようだが、そもそも「中立性」を標榜する新聞の主筆が政治に介入するのは適切なのか、といった問題も浮上している。渡辺氏と50年来の盟友で、「連立画策」の事情を良く知る政治評論家の三宅久之氏は、2007年11月9日放送のテレビ朝日系情報番組「スーパーモーニング」に出演し、渡辺氏の「正当性」を主張している。
   三宅氏は、番組の中で「メディアの政治介入」について問われると、

「建前論としては、『公正無私』だって言ってますけど、ある新聞は安倍さん(安倍前首相)を個人攻撃に至るまで叩いたじゃないですか。それはいいんですか!あるテレビ局は、野党が勝つように番組制作したと言って問題になったじゃないですか!みんな建前論では『公正無私』と言っているけど、みんなやりますよ、そんなの」
「政治家以外の人がね、政治にこうしたらいいだろ、ああしたらいいだろといことはいくらでもありますよ」

と政治にメディアなどが働きかけることは珍しいことではないとの持論を展開している。しかし、問題はメディアのトップが、実際に政治家のあいだに入って「連立」を画策したことにあるはず。この点をジャーナリストの大谷昭宏氏が指摘しようと、「そういう新聞社の政治部のあり方というのは・・・」と述べるや否や、

「そんな宝塚みたいなこと言っててね、政治なんて動くわけじゃないんですよ、あんた」

と一蹴した。三宅氏は、現状の"ねじれ国会"のなかで自民・民主両党の法案が今国会で1本も成立してない現状を「危機」と形容しながら次のようにも述べる。

「渡辺恒雄の心境としてみれば、こういう危機感を持ってやる人いれば、彼は何もそんなことやらなくていいんですよ。誰も危機感を持たないで、深みに嵌っていくのを放置して、これで日本は持つのかという、彼自身の危機感で彼は動いているわけであって、彼を責めるんだったら、国会議員が何故ポヤッてしてんだってことを言えばいいじゃないですか!」

   三宅氏によれば、"ねじれ国会"で自民・民主両党の法案が今国会で1本も成立してない「危機」を本来なら国会議員が解消すべきであるが、それができていない現状が問題だといのだ。大谷氏は「民主党との協議のなかで、法案がひとつひとつ詰められて、できあがりつつある」と異論を唱えるが、これについても、

「実際に通常国会になると、予算は通りますよ。100本以上の法案が政府からだけでも出るんですよね。予算関連法案というのが。それについて理解の異なる者が一本一本(政策協議を)やっていくのは大変なことなんですね。だから、それはやはり大連立の中で事前協議をしてやっていくのが、もっと効率的になるというのは当然のことです」

と述べている。

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