民主党の小沢一郎代表は突然の辞意表明から一転、正式に続投を表明した。この辞意表明のきっかけとなった首脳会談の「仕掛け人」だと言われているのが、読売新聞グループ本社の会長・主筆の渡辺恒雄氏だ。ここ数ヶ月の渡辺氏の言動を見ると、「大連立」への思いは、相当強いようなのだ。
社説で「大連立目指せ」との主張を強く展開
読売会長が「大連立」仕掛け人なのか
小沢代表は2007年11月7日、正式に辞意を撤回し、続投を表明。両院議員懇談会では、もう一度、この体にむち打って、次期衆院選に政治生命をかけて、全力で戦い抜く決意をした」などと述べ、「辞任騒動」に終止符を打ちたい考えだ。
この「騒動」の発端は、11月2日に行われた党首会談の席で、福田首相から小沢代表に「大連立」の提案があり、これを小沢代表が党に持ち帰るも受け入れられなかったことにある。この大連立構想の仕掛け人だとささやかれているのが、渡辺会長だ。
もっとも、渡辺会長自身は、「仕掛け人では?」という質問に対しては、
「野球のことは、おれは良く分からん。来年、また補強しないといけないね」(11月5日)
「新聞記者はね、君たちにそういうことを喋るもんじゃねーんだよ。職業が違う。そういうことは政治家に聞けよ」(11月6日)
と、一貫してはぐらかし続けている。だが、その直前の発言からは、大連立構想への思いがにじみ出ているのだ。
発言が行われたのは、11月4日朝にTBS系で放送された「時事放談」。渡辺氏の他には、同氏の数十年来の盟友とも言われる、中曽根康弘・元総理大臣がいた。いみじくも、収録は、党首会談が行われた11月2日だ。渡辺会長は、「仕掛け人説」については、相変わらず
「知りませんねぇ」
と、とぼけながらも、8月16日の読売新聞社説で「大連立目指せ」との主張を強く展開、賛否両論が寄せられたことを紹介した。その中で「(大連立は)もう1選挙やってから」という声があったとして、こう反論した。
「でも待ってたらどうするんですか。この1ヶ月で法律が1本も通らない。下手すりゃこの状況が6年ないし9年続くんですよ。日本は完全に潰れますね」
「(大連立は)早けりゃ早いほどいい。明日でもいいんですけど。年内にでも大連立政権を作ってですね、それで懸案を合理的に進めていく、と」