「残留」へ動く小沢代表 民主党が「辞めさせられない」理由

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   民主党・小沢一郎代表が辞意を表明してから2日あまりで事態は急転した。民主党執行部が小沢代表を慰留し、「留任」する可能性が出てきたからだ。「政権担当能力がない」とまで民主党を批判した小沢代表に民主党執行部がそこまでこだわるのはなぜか。切れない事情があるのだ。

「心の整理に若干の時間がほしい」

小沢代表が「留任」するとの見方が強まっている民主党
小沢代表が「留任」するとの見方が強まっている民主党

   小沢代表が辞任表明した翌日の2007年11月5日夕方、菅直人、輿石東両代表代行、鳩山幹事長の3人が小沢代表を慰留した。その際、小沢代表が「自分は連立にこだわるわけではない。選挙に勝つ態勢をつくることが何より大事で、そのことによって政権交代を実現して、民主党政権をつくりたい。その意欲は人一倍もっている」などと述べたことが明らかになった。
   さらに小沢代表は「心の整理に若干の時間がほしい」などと述べ、「翻意」の意向を仄めかしたというのだ。さらに、鳩山幹事長は07年11月6日、記者団に対して「今日中に決着したい」と話しており、辞任表明からわずか3日ほどで、小沢代表が辞意を撤回するとの見方が広がっている。

   民主党は2007年11月6日午前、党本部で役員会を開き、小沢代表に対して「続投」を強く求めていくことを再確認。民主党によれば、役員会では、都道府県連や全議員の会等からも小沢氏の留任を求める意見が相次いでいることに加えて、小沢氏の発言が報告された際にも役員会では反発する発言はなかったという。

   岡田克也副代表は、07年11月5日に公式ブログを更新し、小沢氏が福田首相との党首会談で画策していた「大連立」について「これは絶対に認められない、やってはいけないことだと私は思います」と猛反発しながらも、小沢代表の辞任表明については「これは間違った判断だし、是非思い留まっていただきたいと思います」と述べ、「小沢一郎さんの唯一の責任の果たし方ではないかと私は考えています」と主張している。
   「辞めないのが責任の取り方」という、辞めるべき場面で辞めないことを主張するどこかの役人の方便のような発言が外からされるのは奇妙だ。

   そこまでして民主党が小沢氏の代表留任に固執するのは、執行部が小沢氏の「離党」や新党結成を警戒しているからだ。
   小沢代表は11月4日の会見で「辞任」を明言したうえ、「民主党に政権担当能力がない」とまで批判していた。質疑応答の最初に離党を含めた政治活動について質問されると、「離党するなどということは今言ってないし、今後の政治活動についてはこれからゆっくり考える」と、「離党」については、否定も肯定もしていない。

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