「強気のゴーン節」帰ってきた 日産復活は本物なのか

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販売面では実質減益、円安で助かる

   世界販売は伸びたものの、収益で見ると、販売面は実質、約300億円の営業減益になった。販売が増えたのは、日本市場では軽自動車、北米市場も小型車「ヴァーサ」(日本名・ティーダ)と売れ筋が利幅の薄い小型車にシフトしたためだ。販売での減益を吸収したのが円安。為替効果だけで約480億円の営業増益の要因となり、収益回復を円安に頼る構図が浮かぶ。

   だが、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題を引き金とした米景気の減速が強まると、ドル安・円高に転じかねない。また、米景気の減速は自動車市場にも波及しつつある。当面は利幅の大きいピックアップトラックなど大型車の販売拡大は期待できそうにない。

   ほかにも国内販売の減少やガソリン価格の高騰など逆風の要素は多く、日産は08年3月期決算の業績予想を営業利益8,000億円と据え置いた。ゴーン社長の強気の発言を裏付ける材料は完全にそろっておらず、「復活」に向け、さらにアクセルを踏めるかは微妙だ。

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