どれもあまり変わらない組み入れ銘柄
AIG投信の投資信託本部は、「(サブプライムの影響で)年内は低調でしょうが、これは一時的なものとみています」と説明するが、こうしたSRI投信が振るわないのはファンドに組み込まれている銘柄に偏りがあるからとみられる。
たとえば、「ダイワSRIファンド」(07年9月28日現在)と「住信SRIジャパン・オープン グッドカンパニー」(06年12月末現在)の組み込み上位銘柄をみると、1位のトヨタ自動車のほか、みずほフィナンシャルグループ、キヤノン、小松製作所が双方に組み込まれていて、「ダイワSRIファンド」とAIG投信の「誠実の杜」と比べても、三井住友フィナンシャルグループや三井物産の名が双方にみられる。
こうしたSRI投信に組み込む銘柄選定にあたって、CSRを評価しているのは投信会社ではなく、外部のCSR評価会社や大手シンクタンクだ。AIG投信の話では、そのCSR評価会社は世界的にも有名なので「他社でも使っている可能性はあります」という。大和投信委託は「一定の基準でファンドマネジャーが選定します」というが、そこにもCSRの評価会社の存在があることを否定しない。
たしかに、銘柄選定の最終判断は投信各社のファンドマネジャーが行う。しかし、そのベースとなる基準が同じだったりすると、結果として似たり寄ったりの銘柄に偏ることになる。
企業のCSRと業績は必ずしもリンクしないので、株式相場が軟調になるなかで基準価格を維持しようとすれば、おのずとCSRよりも業績重視の選定になってテーマからはずれてくる。そうすると、ファンドの特色が薄れて、人気も落ちるという面もあるようだ。