低迷する国内の新車市場 トヨタ複数チャンネル維持できるか

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トヨタは大排気量新型車を中心に活性化策を展開

   今年の夏以降、トヨタは3,500ccや5,000ccなどの大排気量エンジン搭載の新型車を中心とした国内販売活性化策を展開している。1台あたりの利益向上に加え、消費者の車への関心を高めて新車効果が薄れた既販車の販売も伸ばすことが狙いだ。とくに若かりし頃に高出力エンジンに対する憧れを抱いていた50代や、育児が終わった40代などが販売の中心ターゲット。加えて、車離れが進む若年層も車に興味を示して販売店のショールームに現れることを期待している。

   大排気量エンジン搭載の新型車の受注実績は計画以上となり、30代以下の購入比率も想定以上に高い結果が出ている。新型車に課せられた販売店への客寄せという役目も発売初期段階では果たされている。だが新型車発売による集客効果が、新型車以外の既販車の販売増へと波及したケースは少ないのが実情。新型車が投入されても販売店が望む販売台数や利益には届かない状態が続いている。

   トヨタは07年7月からトヨタブランドの全販売チャンネルが新車販売実績の前年超を目指す「J100活動」を展開。8月に全販売チャンネルとレクサスブランドの販売実績が前年超を達成した。それでも市場環境がこのままでは、トヨタであっても現在の複数販売チャンネルを維持できなくなりそうだ。

   ちなみに、10月の国内新車販売(軽自動車除く)のトヨタ自動車のシェアは前年同月比2.2ポイント増の51.6%で独走状態だが、これは「新車効果」に過ぎず、長続きしないとの見方も強い。

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