新規契約は伸びていない
これより先の10月18日には、三菱UFJフィナンシャルグループのアコムが9月中間期の業績修正を発表。営業利益(連結ベース)で前回予想を190億円上回る493億円に上方修正していた。翌19日のアコム株はストップ高となり、武富士やアイフル、プロミスなど消費者金融株を軒並み押し上げたほどのインパクトがあった。
しかし、業界関係者のなかにはこれを「一時的なもの」とみる向きが少なくない。
これまで消費者金融は、「資金需要があっても、金利を引き下げているためにリスクの高い客をとれない」ことを、新規契約が伸びない理由にしてきた。実際に、申し込みをしても審査ではじかれるケースは増えているという。このため、「営業利益が好転したのは、審査基準を甘めにしたからではないのか」(業界関係者)との見方もある。もし、そうなら貸倒費用がまた増えるだけだ。
プロミスは最近の契約状況について、「(利息の過払い請求など)だいぶ落ち着いてきていますし、申し込み件数は底近くになっています」と話す。ただ、厳しい収益環境にあることは否定しない。武富士も「新規契約が伸びているわけではないので、(厳しい)状況に変化はない」という。
黒字転換などと喜んではいられないようだ。