投資信託の「併合」でインデックス投信が減る?

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   2007年9月30日に施行された改正投資信託法と改正信託法に伴い、複数あった投資信託をひとつにまとめる、投資信託の「併合」が可能になった。現在、約3000の投信があるが、なかには運用資産が減って効率的な運用ができない、規模の小さなファンドがある。投信の「併合」とは、どのようなケースがあって、投資家にどんなメリットがあるのだろうか。

規模の小さな投信が淘汰される?

乱立する投信は選びやすくなるのか(写真はイメージ)
乱立する投信は選びやすくなるのか(写真はイメージ)

   国際投信投資顧問が運用する「グローバル・ソブリン」の5兆円ファンドをはじめ、大和証券投資信託委託の「グローバル債券ファンド」、日興アセットマネジメントの「財産三分法ファンド」やピクテ投信投資顧問の「グローバル・インカム株式」など1兆円を超すファンドは増えている。「貯蓄から投資へ」の流れと、それを後押しする銀行の熱心な販売もあって、投信は売れ行きを伸ばしている。そんな中で、1兆円超の巨大ファンドが続々誕生している。

   ファンドの規模は大きいに越したことはない。買い付け額が大きいと手数料が割安になるし、いろいろなところに効率的に投資できてリスクを分散しやすい。反対に、ファンドの規模が小さいと投資先が限定されるのでリスク回避もしづらいし、管理コストがかさんで非効率になる。

   投信の「併合」は、こうした規模の小さなファンドが、ファンドの運用方針などが近い別のファンドとのあいだで進むことが予想できる。併合によって投資家にとっては、新たな手数料を負担せずに、資産規模の大きなファンドを保有できるメリットがある。デメリットは「いまのところ、わかりません」(投信協会)という。

   しかし、ある銀行系の投信会社は「投信ごとの運用方針は必ずしも一致しないし、ファンドの規模が小さくても投資先が割安であれば、何も規模を拡大する必要はない」と、「併合」の活用にはまだ時間がかかるとみている。

   投信を「併合」するためには、法的には双方の投信の、半数以上の投資家の書面による同意が必要(改正投信法第17条)。ただ、「これにかかる労力は相当、負担になる」(投信協会)という。

「インデックス投信であれば、やりやすい」

   ファンドの規模を拡大したいのであれば、追加設定して募集することもできる。「運用方針が近いからといっていっしょになれるほど、簡単ではない」(銀行系の投信会社の関係者)し、追加募集のほうがコストはかからない。「併合が進まない、時間がかかる」のは、このためでもある。

   とはいえ、投資信託協会に「併合」の可能性を聞いてみると、日経225やTOPIX、日経300、またセクター(業種)ごとの株式指数に連動する「インデックス投信ですかね」と答えた。

   たとえば、日経225株価指数連動型投信は現在47本ある。この中に「三井住友・225オープン」と「三井住友・日経オープン」があって、どちらも三井住友アセットマネジメントが設定した投信だ。前者は1998年11月11日に設定され、純資産総額は511億7700万円(07年9月末)。後者は2000年7月13日の設定で41億8700万円(同)。このように銀行系の投信には、親銀行が合併し投信会社も一本化したが、販売する投信商品は別々というケースが少なくない。それが今回の改正投信法の施行で併合できるようになったわけで、「身内」投信の整理が期待できる。なかでも、株価連動型などのインデックス投信であれば、指標に違いがあるわけではないので、「規模が大きくなり効率運用ができるのであれば、投資家の同意も得やすいでしょう」(投信協会)と話す。

   銀行系などのファンドを含め、本数が多く、また似たような投信が乱立して、選ぶほうはよくわからなくなってきた投信だが、ある程度わかりやすく、選びやすくはなるようだ。

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