「美人女医」としてテレビに頻繁に登場する西川史子(あやこ)さん(36)がエッセイ本を出版した。「年収4000万にこだわる理由(わけ)」(小学館)というなかなか挑発的な題名だ。結婚相手に求める条件だそうだが、「女性の本音」をいい続ける彼女らしいといえばそうだが。
「ブサイクは生きる価値なし」など物議かもす発言
西川さんの「本音」は共感を呼ぶのか反感を買うのか
2007年10月26日に一般書店で発売が始まった。「年収4000万円」のほか「ブサイクは生きる価値なし」など過去のテレビ出演で発言し「物議」をかもした言葉の「真意」や、自らの「コンプレックス」が語られている。
西川史子さんは本名だ。以前、お笑い界の大御所明石家さんまさんが素人女性たちとにぎやかな会話を繰り広げる日本テレビ系「恋のから騒ぎ」に出演していた。「芸歴」は8年間だ。TBS系のニュース・バラエティ「サンデー・ジャポン」で07年春に芸能界を引退した飯島愛さんの「後任」となるなど、現在テレビ3本ラジオ1本のレギュラー番組を抱えている。
事務所ホリプロのHPによると、ゲスト出演も多く07年10月のテレビ出演だけで20本近くに上っているという売れっ子ぶりだ。「美人で高学歴ゆえの高飛車キャラ」としてクイズ番組に出たり、「勘違い女、36歳独身負け犬キャラ」としてバラエティに出演したり、と様々な「扱われ方」をしている。
「枕詞」の1つは「美人」。ミス日本コンテスト事務局(東京)によると、西川さんは1996年度のミス日本のうち、グランプリに次ぐ特別賞(3人)の「フォトジェニック賞」に選ばれた。2,000人以上の応募があったという。西川さんが聖マリアンナ医科大(神奈川県)の6年生のときだ。
医者の仕事では、現在、美容医療を中心とする松倉クリニック&メディカルスパ(東京)に勤務している。クリニックHPによると、「テレビでもおなじみ」「まだ若いが美容医療に並々ならぬ熱意を燃やす」「ヒアルロン酸注入に定評あり」と紹介されている。J-CASTニュースがクリニックに取材すると、西川さんは週に1日の勤務で、「手術はしませんという。普段はどんな人なのかと質問すると、電話口の女性は「私は(西川さんの)本が出ることも知らなかったぐらいですから」と答えるにとどまった。クリニックに勤務して「3年とちょっと」だそうだ。
無理に悪役を演じる気「さらさらない」
西川さんの著書によると「西川家はもともと医者の家系」。父親も神奈川県で整形外科を開業している。本の中で、結婚相手に年収4,000万円を求める理由について、祖父のお金の使い方の影響を受けたとして「今でも『お金を稼げないやつ=バカ』だと思っているところがある」「誰だって、自分が『バカかもしれない』と思う男と結婚したいとは思わないだろう」と書いている。
ちなみに厚生労働省が07年秋にまとめた開業医の院長年収は、賞与を含み平均2,500万円強だった。また、07年度のプロ野球選手の平均年俸(開幕時支配下公示選手、外国人選手除く)で見ると、球団平均4位の阪神4,539万円と5位ロッテ3,711万円が4,000万円周辺だった。年収4,000万円は、相当大変な額である。
ネット販売「アマゾン」で本「年収~」のカスタマーレビュー欄を見ると「どんだけの人間に影響を与え傷つけると思ってるの?(略)あんたの言葉を借りて反論するよ。あんたブサイクだから生きる価値ないよ!」という反発がすでに寄せられていた。
西川さんの発言は、一定程度の反発は確実に出そうな物言いだが、本の中で「すべて納得して口に出した言葉だし、あれはテレビ用でしたとか、本音ではありません―なんて言うつもりは毛頭ない」「かと言って、無理に悪役を演じようなんて気もさらさらない」と、本気発言であることを強調している。一方、ところどころで自分の「弱さ」についても触れている。
西川さんの「毒舌」の背景にある真意を本の中で説明してもらう。その「毒舌」はやっぱり「女性の本音だ」と女性たちの共感を呼ぶ。そんな風に考えて出版を企画した、と本の発行元、小学館の編集担当者は明かす。男性たちも表面的な「毒舌」の裏にある女性の本音を知りたいという人がいるだろうと予測、「勿論反発はあるでしょうが」。
J-CASTニュースが07年10月26日、西川さんの近い親族の1人に取材した。この男性は西川史子さんについて「いたって普通の娘ですよ。普通です」と話した。挑発的なタイトルの本を出版したことについては「本人に任せてますので」。