戦いの山場は来年1月の東京オートサロン?
GT-R購入者にはNHPCで指定された整備を行うことで、購入後2年間は初期性能の維持が約束される。NHPC以外の整備工場でGT-Rを整備したり、認定企業以外のカスタマイズ商品を取り付けたりすると、日産が考える最高のパフォーマンスは保証されない。日産はエンジンのチューニングやカスタマイズ商品の装着、NHPC以外の整備工場での整備が行われたかどうかを把握するため、GT-Rに車両状態記録装置(VSDR)を搭載した。
スポーツカーはユーザーのカスタマイズ需要が多く、カスタマイズメーカーや自動車チューニングショップは新車発売直後から競ってカスタマイズ商品を投入する。これまでの「スカイラインGT-R」には、数多くのカスタマイズメーカーがさまざまな商品を発売してきた。ところが今回のGT-Rで日産は、エンジン出力を上げるROMチューンからマフラー、サスペンション、アルミホイール、エアロパーツなどの交換に至るまで、国が決めた保安基準適合品であっても、認定企業の商品以外はお断りという態度を示した。GT-Rに関して日産は、日産陣営以外の自動車整備業やカスタマイズ業などに喧嘩を売った形だ。
一方で日産は、GT-Rの性能を最高に引き出して走りを楽しみたいというユーザーニーズを想定し、カーナビのGPSを用いて全国の主要サーキット内に限り、時速180kmのスピードリミッターを解除可能とする仕組みを採用した。また不正改造のベース車ではないことを示すために、カスタマイズの最大イベントである東京オートサロンにGT-Rを出展しないことを決めた。
だがGT-Rにカスタマイズが必要か否かはGT-Rの購入者が決めること。
トヨタ自動車がレクサスを国内導入したときも、トヨタは純正品以外のオプション装着の排除を目指したが、翌年の東京オートサロンではさまざまなカスタマイズメーカーがレクサス用の商品を発表した。同様に日産陣営に挑むカスタマイズメーカーの登場は予測できる。日産陣営対カスタマイズメーカーの戦いの山場は、08年1月の東京オートサロンとなりそうだ。