朝日1面トップ恥ずかしい大訂正 「生活保護世帯に失礼だ」

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「すごく多いんじゃないかと記者さんに言ったんです」

   朝日の記事では、検査院から指摘を受けた厚生労働省が、都道府県などに対し、福祉事務所による給食費の代理納付、つまり、生活保護費からの給食費の天引きの活用を求めたと言及。天引きは、100万を超える生活保護世帯への影響が大きいとして、福祉事務所でのケースワーカー経験がある法政大現代福祉学部の杉村宏教授による「払えないのはなぜかを福祉事務所が把握するのが先決で、安易に代理納付をするべきではない」とのコメントを紹介していた。

   ところで、数字が大きく違っていたとすると、この論旨は崩れないだろうか。記事は、これほど未納が多いのには理由があるから、天引きには慎重であるべきとの論旨に読み取れる。しかし、理由を求めるほど多くないとすると、天引きは逆に肯定的に捉えられるべきなのかどうかである。

   朝日からは回答が得られなかったため、このことを杉村教授に聞いてみた。すると、杉村教授は、J-CASTニュースに対し、「(天引きは)学校などに、生活保護を受けているという個人のプライバシーを知られてしまうことになります。安易にするべきではないという点は、変わりません。給食費の未納が3%ほどなら、仕方がないと思います」と答えた。

   もっとも、数字の訂正には、杉村教授もあきれた様子だった。

「ちょっとおかしいと思ったんですよ。『正直言って30%はすごく多いんじゃないんですか』と記者さんに言ったんですけどね。抽出調査なので、私には元の数字が分かりませんから。ああ、発表じゃなくて独自取材なんですか」

   さらに、杉村教授は、「ケースワーカーは滞納しないように指導・援助する仕事」として、かつての自らの仕事が否定されたかのような記事に困惑していた。また、結果として、生活保護世帯の滞納が大きくクローズアップされたことに、「生活保護の家庭には、失礼になると思いますよ。ちょっとずさんでしたね」と苦言を呈した。

   なお、厚労省保護課にJ-CASTニュースが問い合わせたところ、会計検査院から指摘があったことを認めた。指摘については「受け止めなければならない」としており、都道府県に10月5日付で、適切な納付を指導すること、場合によっては天引きの活用を検討することを通知したとした。また、未納の理由を把握していなかったので、今後、給食費支給の実施状況を調べることも明らかにした。朝日の記事については、「コメントは特にありません」としている。

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