「マインドコントロール必要」「円天」会長ブログのトンデモ主張

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   「100万円預ければ年利36%」などと高利の配当をうたって多額の資金を集めた疑いが持たれている健康食品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」への捜査が続いている。その一方で、事件の渦中にある同社の波和二(なみ・かずつぎ)会長(74)はブログで「お金は返せる」「マインドコントロールがなければ文明生活は成り立たない」などと、独自の主張を繰り広げているのだ。

計21本の記事、4万字以上にわたって主張

ブログでは独自の主張が披露されている
ブログでは独自の主張が披露されている

   警視庁などは2007年10月3日、出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで同社関係先の捜索を行った。同社は、「円天」と呼ばれる独自の電子マネーを使って、全国約5万人から1,000億円以上を違法に集めたとされている。同社は「協力金」と呼ばれる出資金を集めていたが、07年1月頃には資金繰りが悪化。配当が滞っていた。捜査当局は、詐欺容疑での立件を目指す考えだ。

   07年10月14日には、被害対策弁護団が被害者説明会を開催、450人が集まった。会合では、同社に対して破産申し立てや、詐欺罪による刑事告訴を行う方向を確認した。

   こんな状況に対して、事件以来記者会見を開くなどの説明をしていない波会長は、ブログを開設、そこで独自の見解を披露しているのだ。

   ブログが開設されたのは、捜索が入った1週間後の07年10月10日。最初の書き込みには、

「波和二もエルアンドジーも起訴されていないのに、まるで『犯罪者』同様の扱われようです」

と、捜査当局やマスコミ報道への不満を吐露。10月29日夕方までに計21本の記事が掲載され、文字数にして4万字以上にわたって、独自の主張を展開している。ブログ内の記述によると、波会長がペンで手書きした文章を、スタッフなどの第3者がブログに入力している模様だ。

   ブログでは、終始「『元金円天市場』なる新会社を設立し、そこで稼いでお金を返すので大丈夫」との主張が繰り返されている。

   例えば、こんな具合だ。

「新事業(元金円天市場)で稼いで、お金を返す自信が充分にあるのです。その新事業を運営していくための必要充分な資金さえあれば、当事者のお金は返せるのす(原文ママ)」(10月11日)
「エルアンドジーは、資金繰りがショートしただけで、事業には行詰ってないのです。波和二も、お金は返せる、返すと言っているのです」(10月15日)

自らを「救世主」「教祖」に近い存在だと認識

   その一方で、説明責任を放棄していると取られかねない記述も少なくなく、「とにかく自分の言うことを聞け」「自分にマインドコントロールされない者はダメだ」と言わんばかりの主張も展開。

「『何故?』の追求に捉われていったら、その道の専門知識を身につけるだけで、一生涯の時間の殆どを費やします。(略)元金円天市場を職場として日本円を稼ぐメンバーやオーナーの方は、波和二の能力を信じて、波和二の指導の通りに動いてください。『マインドコントロール』『マインドコントロール』と、まるで『マインドコントロール』を悪の権化のように言う人も、67億人からいるのですから、出てくるでしょう。マインドコントロールがなければ、文明社会、団体生活は成立たないのです」(10月23日)
「目線の違う人には、その(編注: お金が返せる)事が見えぬだけです。お金に対する専門知識の低い人には、波和二の言う事が判らぬだけです」(10月29日)

もっとも、この根底には、波会長自身が、自らのことを「救世主」「教祖」に近い存在だと認識していることがありそうだ。例えば、10月22日に掲載された記事2本のタイトルは「釈迦・キリスト・波和二」「目覚め。解脱」と、自らと釈迦・キリストとを対比しているほか、10月11日には、ズバリ

「本気で思っているのですが、いま、波和二の能力を失うことはこの世の人々にとって、大損失なのです」

と言い切っている。

   にわかには、一般には受け入れられそうもない主張で、実際、コメント欄は「信者」による一部の賛同コメントをのぞけば、

「今後のあなたはおそらく豊田商事の会長の二の舞になるのでは?」
「そんな詭弁にこれ以上騙されません」

といった、波会長を糾弾する声であふれている。

   真意を聞こうとL&Gに電話取材を試みたが、

「お客様がおかけになった電話は、お客様の都合で通話ができなくなっています」

とのアナウンスが流れるばかりだった。

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