亀田家長男の興毅さん(20)が「一家」を代表して行った会見について、興毅さんへの同情論が高まる一方で、2度目の会見を拒んだ父史郎さん(42)への風当たりは強まっている。テレビ放送では「卑怯者」と厳しい意見もジャーナリストから寄せられた。
小倉智昭が「興毅は立派だったですよ」
亀田興毅さんの謝罪会見の様子を伝える新聞各紙
2007年10月26日にあった2回目の会見では、興毅さんと協栄ジムの金平桂一郎会長の2人が出席した。大毅さんの問題の試合後初の会見は10月17日で、金平会長のほか史郎さんが出席し、大毅さんも冒頭だけ同席した。
10月26日の会見で、興毅さんは丸刈り姿で謝罪の弁を述べた。会見の内容について、批判の矛先は、詰問調で史郎さんの会見欠席理由などを質すテレビ朝日のリポーターに向けられた。「もはやイジメの域に達してる」などのマスコミ批判の声がネット上に多く寄せられた。26日に放送されたフジテレビ系「とくダネ!」でもキャスターの小倉智昭さんが「興毅は立派だったですよ。筋を通しているし、このくらいでどうですか」と会見での興毅さんの姿勢を評価した。
27日放送のテレビ朝日系「サタデースクランブル」の中でも、スポーツジャーナリスト片岡亮さんが、会見を終えた興毅さんについて「リニューアルされた」「不良少年じゃないですけど、立ち直って更生するというのは日本人が大好き」「逆にすごい人気ある選手になる可能性もある」と風向きの変化について解説した。
一方、批判が収まらないのは父史郎さんに対してだ。10月28日のフジテレビ系「新報道プレミアA」の中で、ジャーナリストの櫻井よしこさんは、子供の興毅さんを会見に出席させ、自らは出なかった史郎さんのことを「父として人間として卑怯者だと思う。卑怯者というのは卑怯者以外何者でもない。本当に唾棄すべき存在だと思う」と厳しい論調で切り捨てた。
番組には金平会長が出演し、26日の会見前日に金平会長が亀田家を訪れた際の史郎さんと興毅さんとのやりとりを証言した。櫻井さんの発言に先立ち、金平会長の証言をもとにした再現VTRも流し、2回目の会見の必要性を主張する金平会長に対し、史郎さんが「わしはああいう場所は苦手やな」と話し、会見へ出席すると言った興毅さんに「亀田家を代表して長男のお前が行ってこいや。わしはああいう場所は苦手や」と答えた様子が紹介された。
「史郎はボクシングに口をはさまない」と亀田プロ
史郎さんが「ボクシングにはもう口は出しません。(子供たちを)助けてやって下さい」と話したことにも金平会長は触れて、「身を引く覚悟の現われ」「腹をくくった、けじめをつける強い意志を感じた」と史郎さんの姿勢を前向きに評価した。史郎さんが会見に出なかったことは、史郎さんの「引退の覚悟を示すもの」という訳だ。これに対し、櫻井さんが真っ向から厳しい反論を述べた形だ。
26日の会見の模様を伝えたJ-CASTニュースの記事には100件近いコメントが寄せられているが、マスコミ批判や興毅さんの態度を評価する声とともに「よく子亀一人で会見させたよな。責任感がない」「分かっていて出てこない史郎を批判するべきであって、レポーターを批判するのは筋違いだよ」と史郎さんへの非難もあった。
史郎さんが社長を務める「亀田プロモーション」にJ-CASTニュースが取材すると、史郎さんが改めて会見を開く予定は「ない」。また、10月27日付の朝日新聞朝刊(東京最終版)が「父史郎氏にも復帰の道残る」と見出しをつけ、史郎さんがジムに再雇用されるなどの条件で手続き論上「復帰」が可能なことを報じた問題については、「金平会長が代弁してくれた通りです」と答えた。「史郎さんは引退しボクシングに口をはさまないという内容のことか」と確認すると「そうです」と断言した。