インターネットラジオで、アニメーションのクリエーター達が繰り広げた議論が注目されている。「ニコニコ動画」「ユーチューブ」に違法に画像をアップされたことがアニメの売り上げ不振の一つの原因とし、「不特定多数に見せる権利はこれっぽっちも与えていない!」「アゲたヤツに言いたいのは、お前は犯罪者だからな!!!」などと激しい論調だった。この番組を受けて、ネット上でも画像投稿サイトのありかたの議論が始まっている。
オマエは犯罪者だからな!!!それ、誰か捕まえて
「偽・うpのギョーカイ時事放談SUPER!」ではアニメ業界の裏話を聞くことができる
このネットラジオ番組は「偽・うpのギョーカイ時事放談SUPER!」。レギュラーはアニメプロデューサーの川瀬浩平さんと、伊平崇耶さん。2007年10月25日に放送された第四回目はアニメプロデューサー里見哲朗さんをゲストに迎えて3人のトークが展開された。
冒頭では、5,6年前に「MP3」が登場してから違法ダウンロードが増え、音楽CDが全然売れなくなった、という例を出した。現在、「ニコニコ動画」「ユーチューブ」にアニメが勝手にアップされるようになって、同じ道をアニメ業界が歩んでしまう危機に直面しているのだという。そして、画像投稿サイトや、画像をアップする人達への激しい非難が口を突いて出てくる。
「創作物をみんなに見てもらう表現の場としてはアリ。システムは認めるよ。『やわらか戦車』などのウェブアニメーションはそうして出てきた。でもね、俺達が作ったものをオマエがアゲる権利はどこにもない!」
「アゲたヤツに言いたいのは、オマエは犯罪者だからな!!!それ、誰か捕まえて、吊るし上げなくちゃならない。1億円とかさ、それくらいの損害賠償払わせてさ、それぐらいしなきゃならないことが最近わかった」
本当に食えなくなるんだよ、みんな
こんなに怒っているのは、アニメ1本あたりのDVDセールが落ちているからだ。これは、クオリティの問題や、アニメのリリースが多すぎることもあるのだが、アニメの全編を動画投稿サイトにアップするのが、アニメのDVDを売れなくしている、というのだ。
出演者達は動画投稿サイトや違法コピーの話しになると、「オレ達を殺す気か!?」「メガネも買えねーちゅうのに。コノヤロー!!」などと爆発。そして、
「こんなこと言いやがって!と言うヤツもいるだろうと思うけど、(一つの作品を作るのに数百人のスタッフが携わっていて)本当に食えなくなるんだよ、みんな」
とリスナーに訴えた。
そして話は「ニコニコ動画」「ユーチューブ」などの動画投稿サイトに移り、
「違法アップの場を提供している会社に対しての過失責任は問われるべきだ」
という議論になる。そして、画像をアップしてワーワー騒ぐサイトがある、とし、そのサイトは違法アップの責任を逃れるために、かなりウマイ対策を取っているというのだ。その一つが「権利侵害対応プログラム」ツール。企業側に無料で貸し出し、企業が削除したい画像が出た場合、いつでも削除することができるものなのだという。
「僕らが自己で防衛しろと?!テメエラのサイトで違法アップされているのに対して、夜中もやれと?!」
「権利者がやれ!みたいな?!。気が狂っているとしか思えない」
「違法アップに対応できないシステムならやめたほうがいいんじゃないですか」
など、画像投稿サイト廃止論まで出た。
「2ちゃんねる」にはこの放送後に10本以上のスレッドが立ち「祭り」になっている。そしてこんなカキコミが出ている。
「クリエイター側じゃなきゃこの気持ちは分からんよなぁ…」
「いいアニメはニコニコで知名度上げたからこそ売れることさえある。実際俺もニコニコ観るようになってから初めてアニメDVDを買うようになった」