「仮想通貨」不正に巨額換金 それでも「没収」されない不思議

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規定では仮想通貨の現金換金は禁止

   「ラグナロクオンライン」では仮想通貨が流通しており、ユーザーは仮想通貨でアイテムを入手したり、モンスターを倒すことで仮想通貨を入手するなどしてゲームを楽しむ仕組みになっているうえ、ガンホーの規定では仮想通貨については現金と換金することを禁じている。しかし、仮想通貨と現金を交換するRMT業者が出現。中国人などの外国人に安い賃金でゲームをさせて、仮想通貨を大量入手させ、現金を得ようとする組織が現れたり、詐欺が横行するなど、社会問題にもなりつつある。ガンホーIR担当者はJ-CASTニュースに対して、RMTを禁じている理由を「ゲームの世界観を維持して、RMTに伴う問題を回避したいため」と説明している。

   一方で、仮想通貨を現金に換金するRMTの行為自体は違法ではないとされており、法律的に取り締まれない現実もある。今回の裁判でも、不正アクセスした男性には「信用を傷つけた」とする330万円の賠償金支払いが命じられているだけで、結果的に、巨額の富を得たことについては社会的に制裁を受けないかたちになっている。

   米リンデンラボ社が運営する「セカンドライフ」では、仮想通貨「リンデンドル」を現金で購入できるほか、米ドルに換金できる。これがセカンドライフ内での経済活動を活発にさせる一因になってはいるが、一方で米国ではこの仮想通貨による収入に対する課税ルールについても検討がなされているなど、RMTはバーチャル世界だけの問題とは言いがたい側面もある。

   ガンホーは今回の判決について、「判決が届いたばかりなので、内容を精査して今後の方針を決めたい」とコメント。ガンホー側代理人は

「今回の裁判ではRMTについて言及されていない。ゲーム運営会社の社員が不正に仮想通貨を増やして換金したという点でかなり例外的なケースで、ユーザーに影響を直接与えることはない」

と述べている。

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