謹慎期間中の横綱・朝青龍(27)が、母国モンゴルでTBSのテレビ取材を受けたとされる問題で、日本相撲協会広報はJ-CASTニュースの取材に対し、「TBSに確認したところ、TBSの撮影クルーがモンゴルに入ったが、朝青龍へのインタビュー取材はなかった」と答えた。撮影クルーが入ったにもかかわらず、取材がなかったというのはホントなのか。
「申請書にモンゴルで取材とはなかった」
高砂部屋HPの掲示板には『マスコミの手のひら返しは常套手段』などのカキコミも出ている
今回の問題は、TBSが日本相撲協会の許可を得ず、2007年10月3日、4日に細木数子さんとテレビクルーがモンゴルに行き、朝青龍にインタビューしていた、という報道が発端。朝青龍は謹慎期間で、帰国療養中だが、行動は治療と運動のみに制限されている。
実は、高砂親方が「うっかり」TBSの取材を認めていたことが07年10月22日にわかった。
日本相撲協会の説明によれば、取材申請書は07年10月1日に提出された。内容は、朝青龍のドキュメンタリー番組の取材をしたい、というもので「朝青龍の帰国後、落ち着いてからスタジオ収録」という文言があった。高砂親方は、朝青龍が再来日後、謹慎処分が明けてからの取材申請と解釈し、「あっさり」許可。念押しで07年10月5日に「謹慎中のため、収録は処分が解けてから」との注意をTBSにファクスで07年10月5日に送ったが、既にモンゴルで撮影が終わっていた。高砂親方は「申請書にモンゴルで取材するとは出ていなかった」と言い訳したものの、自分の不手際については謝罪した。
となると、ホントは認められないはずの取材なのに、放送してもかまわないのか、という話になるのだが、日本相撲協会広報はJ-CASTニュースの取材に対し、
「TBSの朝青龍へのインタビュー取材はなかった」
とホッとした声で07年10月24日に話したのだ。同協会広報がTBSに確認したところ、細木さんと撮影クルーがモンゴルに入り、朝青龍に会ったのは間違いないないのだという。しかし、撮影はモンゴルの風景などを中心にしたもので、
「細木さんと朝青龍のツーショット、細木さんの朝青龍に対する激励はあったようだが、それが撮影されたかもしれないが、その映像が実際にあるかどうかはよくわからない。とにかく、インタビュー取材などは行われていない、ということだそうです」
と説明した。だが、こうした一連のことを「取材」というのが一般的だ。
「インタビューしたい、とは申し込んでいない」
J-CASTニュースがTBSに取材すると、日本相撲協会の説明とはかなりニュアンスが違っていた。同局広報は、日本相撲協会の「インタビュー取材はなかった」ということについて、
「もともとインタビューをしたい、とは申し込んではいません。インタビュアーも同行していませんし」
だそうだ。初めから、撮影の目的は、
「後々に放送する予定のドキュメンタリーの取材」
であり、
「映像は確認していませんが、撮影隊が行っていますので、細木さんと朝青龍の会話など撮っているはずです」
と、予定どおりの結果であるとした。