「未成年は午前3時にうろつくな」 広島県知事発言は暴論なのか

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   広島県の藤田雄山知事(58)が、広島市内でのレイプ事件について「朝3時に盛り場でうろうろしている未成年もどうかと思う」と発言したと報道されたことで、「レイプされる女が悪いのか!」「米兵だから庇うのか!」といった批判が続出している。広島県庁には多数の苦情が電話とメールで寄せられた。しかし、ネットの掲示板やブログを見ると、知事の発言を批判するのは間違いで、「いいことを言った」というものが結構多い。

「知事の発言は正論」が掲示板では主流

「レイプ事件へのコメントで批判が殺到した藤田広島県知事」
「レイプ事件へのコメントで批判が殺到した藤田広島県知事」

   広島市で07年10月14日に起きたレイプ事件は、19歳の女性が繁華街のクラブに友人と出かけ、そこで米軍岩国基地(山口県岩国市)の海兵隊員4人と知り合った。14日未明に女性が1人で外に出たときに、車に押し込まれ約2キロ離れた駐車場に移動。4人からレイプされたというもの。

   そして、07年10月20日に広島市で「日本女性会議2007ひろしま」のイベントがあり、ここに藤田知事が出席。あいさつの中で、「朝3時に盛り場でうろうろしている未成年もどうかと思う」と発言したことが騒ぎになった。読売新聞などは、 「被害女性に非があるともとれる発言をしていたことがわかった」 と07年10月22日付で報道した。

   広島県庁の男女共同参画室はJ-CASTニュースに対し、新聞で知事の発言を知った人達から「相当な数の抗議が来ている」とし、その数は07年10月22日16時までに246件だと明らかにした。ただし、

「犯罪に会わないためのリスク回避に言及したもので、(言われているような)集団強姦を擁護しているものではありません」 と強調していた。

   ブログを検索すると批判はもちろん多い。「いじめられる方が悪い」「騙される方が悪い」という低級なレベルの発言だとか、「女性にも非がある」という性差別が被害者を日常的に傷つけるセカンドレイプになる、など。しかし、「広島県知事の発言は、まともな意見だと思う」というものが結構あるのだ。その理由としては、「悪いのは海兵隊員だが、当事者の危機管理意識が必要」「外国だったらレイプどころで済まない」などというものだ。

   さらに、「2ちゃんねる」に10本以上のスレッドが立つ「祭り」になっているカキコミの7,8割が「知事の発言は正論」というものだという。

揚げ足を取っているだけの報道姿勢に嫌気?

「こういう事も(知事の発言)、大人はきちんと言うべきだよ」
「この発言を問題視する、この国は狂ってるな」
「当たり前のことを言っちゃいけないのか。それとも午前3時頃に未成年者が盛り場をうろつくことが正しいことなのか」

   一方でこんなカキコミもある。

「女性集会でわざわざこんな発言する知事は配慮が足りない。空気読め。発言内容自体は正しい」
「子供の夜遊びを嫌う親(女)が大勢いると期待して、支持率アップすると思ったんじゃないの」

   「知事の発言は正論」を唱えている人達は、知事を擁護しているというより、ステレオタイプに「失言」に対する批判が繰り返されることに嫌気がさしているといった感じだ。そして、「報道の姿勢に問題がある」という見方がされ、「過去に何度も繰り返された手法で、常識的な発言が問題発言に擦りかえられている」と指摘するブロガーもいる。

   問題の発言の舞台になった「日本女性会議2007ひろしま」の事務局は、J-CASTニュースに、

「私たちが知事の発言に対し、抗議しているような誤解が一部に生じているようですが、私たちが抗議したのは今回のレイプ事件に対してのもので、知事ではありません。発言は未成年を犯罪から守る、という流れの中にあったもので、『発言がけしからん』と言っている人は知りません」

   と話している。

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