「いつもでもデブと思うなよ」――こんなストレートなタイトルがつけられたダイエット本が飛ぶように売れている。キャベツダイエット、ビリーズブートキャンプといったダイエット方法も、悩めるデブ男にとって、キャベツの千切りを毎日食べるのは苦痛だし、ビリーのように激しい運動もつらい。そこで「メモを取る」という簡単な減量方法がうけたというわけだ。
毎週のように増刷しなくてはいけない状況
「いつまでもデブと思うなよ」が大ブレイク中だ
新書「いつまでもデブと思うなよ」(新潮社)が発行されたのは2007年8月20日。初版は1万4,000部だったが、10月下旬には発行部数が合計34万部にまで伸びている。新書としては異例の売れ行きだ。
紀伊國屋の週刊新書ベストセラー(2007年10月15日~21日)では、板東真理子の「女性の品格」(PHP研究所)に次いで2位。トーハンの週間ベストセラーでも、10月16日で4位に入っているほか、6週連続で20位以内にランクインしている。
新潮社編集部はJ-CASTニュースに対し「思っていた以上の売れ行き。毎週のように増刷しなくてはいけない状況だ」と述べている。
「いつまでもデブと思うなよ」は評論家で大阪芸術大学客員教授の岡田斗司夫さんが、身長171センチ・体重117キロから67キロへと1年間で劇的に痩せた体験を綴ったもの。
冒頭から、「見た目主義」の現代で、いかにデブが損なのかを力説。「何をしても『デブ』という強烈なキャラに打ち消されてしまうのだ」とまでデブをこき下ろして、デブ男のプライドを打ち砕く内容。ここでデブ男は自分を見つめなおし、ダイエットの必要性を認識するというわけだ。
そこで紹介されるのが「レコーディング・ダイエット」。メモ帳にその日食べたものを記録し、意識化していくことで、自分の食生活を見直すことでやせていく、という内容だ。
確かに、キャベツを食べまくったり、ビリー隊長の激しい運動に付いて行くダイエット法に比べれば、新しいタイプのダイエット方法。そもそも悩める中年太りの男性にとって魅力的なダイエット法というのは、それほど紹介されたことは少ない。それが、この本のブームのきっかけでもあった。
「まず1つは、大人の男性向けダイエットの本は需要の割りに少なかった。もう1つは、実用書として、ドキュメンタリーのようにも、もちろんダイエット本としても読める。多面的な魅力を持った本ということでしょうか」(新潮社編集担当者)