新聞3社共同ポータルに対抗 ヤフーがニュース・コメント欄

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   ヤフーは2007年10月23日夕、ニュースサイトにコメント欄を新設する。ヤフーは、日経朝日読売が08年から開設する共同ポータルサイトなどを意識し、「差別化を図った」としており、今後ネットユーザー取り込みを巡るニュースサイトの競争が激化しそうだ。

「コメント欄は付加価値」

コメント欄を新設するヤフーのニュースサイト
コメント欄を新設するヤフーのニュースサイト

   ヤフーの広報担当者によると、掲載される各ニュースの下に、コメントを3件まで全文表示。「すべてのコメントを読む」をクリックすると、10件ほどコメントが全文表示され、さらに読みたい場合は、「次へ」をクリックすると、次の10件ほどが全文表示されるシステムだ。

   投稿者はヤフーにID登録した会員だけに限られ、1回の投稿は400字以内で何度でも書き込める。当面は、情報提供元の許可が下りたニュースだけコメント欄が付くため、1日約2500本のニュースの6割ほどになるという。

   導入を巡っては、2ちゃんねるにスレッドが立ち、その狙いなどについて様々な書き込みがあった。「もしかしたら2ちゃん包囲網のひとつかも知れんよ」との意見から、「よっしゃ!2ちゃん以上にメッチャメチャに荒らしたろ」「ニュースの品格が落ちるぜ」といった不気味な予言もあった。

   ヤフーはなぜコメント欄設置に踏み切ったのか。広報担当者は、J-CASTニュースの質問に、日経、朝日、読売の共同ポータルサイト新設などでニュースサイト間の競争が激しくなっている事情を挙げ、次のように説明した。

「うちでは記事を作ることができないので、このままだと、ほかのサイトとの違いがなくなってしまいます。そこで、コメント欄という付加価値を付けて、ユーザーの方に楽しんでもらうのが重要と考えました。2ちゃんねるは、特別に意識していません」

   コメント欄の荒らし行為や個人への誹謗・中傷に対しては、ヤフー掲示板などに掲げている「コミュニティーサービスガイドライン」に沿って、コメント削除などを行うという。コメントは、書き込むとそのまま修正されずに反映されるが、不快感を与えるような性的に過激な表現、差別的な言い回しを入力すると表示できなくなる。

米国の新聞では当たり前

   ITジャーナリストの佐々木俊尚さんによると、米国では、有力な新聞社のニュースサイトにコメント欄が付いていることは当たり前のようになっているという。ニューヨーク・タイムズ紙では、10月12日にポータルサイトのトップページにもコメント欄を新設し、話題になった。アル・ゴア元副大統領のノーベル平和賞受賞を報じた同日のニュースでは、「ゴア自身の行動やライフスタイルは、彼の映画が支持する政策と矛盾している」など、700件以上のコメントが寄せられた。

   日本では現在、ニュースサイトにコメント欄を設ける大手新聞社はない。ポータルサイトでは、ライブドアがニュースサイトの一部ニュースにコメント欄を設けている。

   ITジャーナリストの佐々木さんは、「ネットでは、双方向的なWeb2.0のサービスを導入することが課題になっていますが、アメリカの新聞では、ニュースサイトにコメントのほか、トラックバック、ソーシャルブックマークなどの機能を付けるのは珍しくありません。ヤフーの試みにしても、いまさらという感じがあります。書き込みが増えても、ブログのようにサイトが炎上することはないはずです。今後は、日本でも当然の流れになるでしょう」と話している。

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