新入社員「成長」させるマネージャーがいない
新入社員を育成する体制が崩れてしまったのは、リストラで会社の人材が細り、じっくりと仕事を教えられなくなっているためだ。また、一気に社員を増やした会社では、育成経験のないマネージャーがたくさんの部下を抱えるようになり、それが影響している。さらに、成果主義での弊害で、プレイングマネージャーが増え、部下の育成を会社があまり評価しないことなどが原因としている。今回のアンケートでも、上司に対して「指示が不明確で、何をしたらよいかわからない」と答えた人が46.2%いた。
「こんな上司の元では成長できない」と転職したものの、転職先も似たような状況という可能性もある。同社担当者はこう言う。
「仕事に対して前向きな頑張り屋である一方で、『会社を辞めても食べていける』という意識も強い」
つまり、甘さもあるわけで、行き着く先はフリーターという可能性も高い。同社ではこんなふうに企業や新入社員に話しているのだという。
「会社側は改めて人材育成能力のあるマネージャーを置き、新入社員はそのマネージャーの経験に学べるようにする必要があります。一方、新入社員は与えられた仕事が気に入らなくても、そこに仕事の意味や価値を見出すような努力をしてほしい」