金利下げても、成約率は変わらず
しかし、金利の引き下げ効果が出た消費者金融は多くないようだ。消費者金融大手のアイフルは8月から、新規顧客向けの貸出金利を年18%以下に、また借入金が総額100万円を超す場合は年15%以下とする貸金業法の金利体系に合わせて引き下げた。8月の申し込み件数は2万5976件で、前月比3097件増えた。成約件数でも8月は9440件で、1290件増えた。ただ、成約率をみると6月が36.0%、7月34.5%、8月は35.4%と、大きく伸びたわけではなかった。
あるメガバンク系の消費者金融では、金利を引き下げに伴い審査を厳しくしたところ、成約が減り、その結果審査基準を緩めたという。つまり、金利を引き下げたからといって、お客が増えるわけではないのが現実なのだ。
どの消費者金融も「既存のお客でも審査さえ通れば年18%以下で借りることはできる」というが、新しい基準の金利を適用する際には、これまでの過払い利息を請求されることになる。結局、収益回復は「リスクを回避しながらどうのように貸していくのか」(武富士)という難題をクリアしないことには見込めない。