日経平均株価の出遅れ感は否めず
これに対し、中国では人民元の為替政策や外国機関投資家に対する規制などにより、世界の市場とは別世界が作られている。さらに、中国国内では、年々積み上がる貿易黒字をはじめ、世界中から集まる投資資金や政府による「元売リドル買い介入」で、市場には元があふれている。こうした中、サブプライム問題で揺れる世界市場を尻目に、中国では順調に株高が維持され、着実に時価総額を膨らませた。
中国の時価総額の世界順位がアップした背景には、中国の厳しい資本規制があるとはいえ、中国が世界有数の金融市場として存在感を増しているのも事実だ。これに対し、日本の現状は厳しい。欧米やアジアの主要市場では、株価指数のほとんどが10月初旬までに年初比の上昇率がプラスで推移しているのに対し、日経平均株価はようやく年初のレベルに届いたに過ぎない。出遅れ感は否めず、市場では、世界市場での競争力確保対策を求める声が絶えない。