肥満など危険因子増えると危険度「なんと35.8倍」
「異論」は国際的なレベルからも寄せられた。国際糖尿病連合は、05年春に日本人向け基準として「男85センチ、女90センチ」を設定したが、異論が出たため07年春には「男90センチ、女80センチ」に変更した。変更後、中国人向けと同じ基準となった。
「中高年の男性の2人に1人がメタボリックシンドロームか予備軍の危険!?」。厚生労働省ホームページで「メタボ」を説明するページの中の一文だ。図解を見ると、高血糖と高血圧、脂質異常が「氷山の一角」として描かれ、「水面下」に「内臓脂肪型肥満」が「デン」と鎮座している。内臓脂肪型肥満が「諸悪の根源」といったイメージだろうか。文章では、メタボリックシンドロームが内臓脂肪型肥満をベースに高血糖、高血圧、脂質異常が複数重なることによって、動脈硬化を引き起こし、心臓病や脳卒中といった命にかかわる病気の危険性が急激に高まるので、大変危険です、と訴えている。また、「例えば心臓病の場合」に危険因子がない人の危険度を1とすると、危険因子を2つもっている場合は「5.1倍」、3~4個の場合は「なんと35.8倍」になる、と指摘している。「肥満」も因子の1つとし、明記はしていないが「肥満」イコール「男85センチ以上、女90センチ以上」と読める。
果たして例えば腹囲87センチ程度の男性は、「恐怖感」を持つべきなのか「安心」していていいのだろうか。