「我々を含めた一部メディアは見過ごしてきた」
スポーツ新聞は、若干トーンダウン気味だ。
サンケイスポーツは、ストレートニュースとして、15日夜のTBSのニュース番組の様子を紹介。
「同日夕の報道番組『イブニング・ファイブ』は、これまでの同局の放送姿勢を『ざんげ』するような(?)内容となり、内藤をゲストとして呼んだほか、JBCの処分会見をテレビ朝日とともに冒頭から生中継。『ひじでもいいから(相手の)目に入れておけよ』と反則行為を促していた場面も放送した」
と、「これまでのTBSの番組作りはざんげに値する」と言いたげな、遠回しな表現にとどまった。
日刊スポーツは、「記者の目」というコラムで、亀田家について
「『勝つだけなら何をしてもいい』との雰囲気も見え隠れしていた。そんな亀田家の『暴走』を、我々を含めた一部メディアは見過ごしてきた」
と、半ば自己批判を行った。
識者コメントを紹介する形で、メディア批判についても触れる、という紙面構成を取るスポーツ紙もある。サンケイスポーツ、スポーツ報知、そして亀田一家に好意的な報道を続けてきたデイリースポーツが、藤竹暁・学習院大学名誉教授(メディア論)のコメントを掲載していた。各紙とも掲載された文面は同じで、以下の内容だ。
「亀田一家の存在は、その登場からすべてをテレビ局がプロモートしてきた。メディアが人気をあおり、国民もそれに乗ったということを考えれば、次々と消費される芸能界のアイドルと同じ。問題は、こうしたことがスポーツの中で最もストイックとされるボクシングの世界で起きたという点ではないか」
一方で、スポーツニッポンには、特にTBSやスポーツメディアについての言及はなかった。
そんな中、10月16日午後発行の日刊ゲンダイは、終面で
「亀田一家処分で鬼の首取ったようにはしゃぐJBCとスポーツマスコミのアホらしさ」
との見出しを掲げ、スポーツ関連メディアを十把一絡げに切って捨てている。