「給料泥棒」発言はアウト? パワハラ自殺「初認定」の余波

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「職場全体の問題だと捉えること」が大事

    結局、発言内容でパワハラかどうかの線引きはあるのだろうか。J-CASTニュースが原告側の山下敏雅弁護士に話を聞いた。山下弁護士によると、単純にこういう発言はだめ、というマニュアル的発想には意味がない。セクハラについては、防止対策を含めかなり意識が広がっている。しかし、パワハラはまだ理解が進んでいない現状をまず知る必要がある。部下の人格や名誉を傷つける言動は、病気や命の問題につながることも理解が欠かせない。大事なのは「パワハラは個人の問題ではなく職場全体の問題だと捉えること」。今回の判決は、上司がどんな発言をしようと「指導の範囲」、部下がどんなに傷つこうと「個人の資質の弱さ」で片付けてしまいかねない現状に警鐘を鳴らすものだという訳だ。

   静岡労基署は「今後の対応については、判決内容を検討し、関係機関とも協議した上で判断したい」としている。同署によると、04年に労災を認めなかった際の理由の1つとしては、心理的負荷の強度を国が定める3段階で評価すると、上司とのトラブルの強度は「中」にあたる「2」と判断していた。判決では、「人生でまれに経験する程度に強度だった」と労基署判断の「甘さ」を指摘した格好だ。

   男性が勤めていた会社に対しては、妻が賠償を求める訴訟を起こしていたが、06年に和解が成立している。

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