「農業」は世界的メガトレンド テーマファンドの新潮流

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   三菱UFJ投信は2007年10月17日から、農業関連の株式に投資する「三菱UFJ グローバル農業関連株ファンド ゴールデン・ハーベスト」の募集を開始する。種苗・農業化学、農産物等の生産や加工・流通、農業機械、畜産・林業に紙製品などの関連分野へ投資する「テーマファンド」と呼ばれる投資信託だ。「農業」「環境」などをテーマにしたファンドが次々設定されるなか、投信会社はいかに早く「メガトレンド」をつかむか、が勝負になってきている。

農業は成長分野のひとつという認識

農業をテーマにしたファンドが増えている(写真はイメージ)
農業をテーマにしたファンドが増えている(写真はイメージ)

   個人投資家のあいだでは「テーマファンドは早い者勝ち」と言われているという。投資信託も株式のように、基準価格が低いところで投資して高くなるのを待てばいいのだから「必ずしも、早い者勝ちではありません」(三菱UFJ投信)というが、基準価格が右肩上がりであれば、早めに投資したほうが「オトク」であることは間違いない。

   ドイチェ・アセットマネジメントは9月21日、「DWSワールド・アグリビジネス・ファンド」を設定し、野村證券で募集を開始。発売後1か月も経っていない10月10日時点で331億円を積み上げ、絶好のスタートダッシュを決めた。同社は「DWS・グローバル・アグリビジネス・株式ファンド」を6月から販売しており、こちらは36億円強の残高。7~9月にかけて販売先を増やしている。

   ドイチェ・アセットマネジメントは「農業は世界的なメガトレンドのひとつと考えていて、成長分野であるといえます」と話す。同社は今年の方針として、「環境」や「農業」「水」「資源・エネルギー」といった「メガトレンド」に焦点を当てた投信に力を入れている。

   バイオ燃料の拡大や中国など新興国の需要の高まりに伴って、トウモロコシや小麦などの農作物の価格が全般的に高騰していることで、世界的な食料争奪戦の様相を呈している。食料需要もさらに広がるとみていて、それによって種苗や農業化学、農作物の生産・加工などの農業関連企業の成長もまた見込めるというわけだ。

フィデリティ投信も「農業」ファンドを設定

   10月15日からはフィデリティ投信も「水」「農業」「クリーンエネルギー」にかかわる世界の企業に投資する「フィデリティ・スリー・ベーシック・ファンド」を設定し、SBIイー・トレード証券やエース証券、ジョインベスト証券などでの販売に乗り出した。同社のシニアマネジャーの山本和幸氏は「この投信は地球と人類の将来を考える『世界規模』の壮大な投資テーマを提案しています」と、その意義を訴える。

   こうした農業ファンドの具体的な投資先は、農業の生産性を向上するための土壌改良や肥料、害虫駆除剤などの分野、遺伝子の組み換え穀物などの開発・製造、代替エネルギーでは風力発電やソーラーシステムなどの企業が対象とされる。

   「人口増加」や「バイオ燃料の拡大」→「食糧不足」→「農業関連企業の業績アップ」のメガトレンドに着目した「農業ファンド」だが、先行したドイチェ・アセットマネジメント、フィデリティ投信、三菱UFJ投信が読みどおりの「ブーム」をつくり出せれば、人気ファンドの仲間入りできる。

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