亀田大毅選手の「反則試合」を受けて、亀田一家を「応援」していたTBSにまで批判の声が相次いでいる。TBS系番組でも出演者から「最低の実況だった」などといった不満が噴出。TBSが取ってきた「亀田びいき」の姿勢は事実上崩壊したに等しい状態になってきた。そして、当の亀田一家にも「制裁」が下った。
TBSに試合終了から1,500件近い苦情が殺到
TBSの「亀田三兄弟」HP。処分が下ってもコラボは続くのか・・・
2007年10月11日にボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチで内藤大助選手(33)が亀田大毅選手(18)を大差の判定で下した試合で、レスリング行為など反則行為を繰り返したとして、日本ボクシングコミッション(JBC)は2007年10月15日、亀田大毅選手に1年間のライセンス停止処分を下した。また、反則を指示したとして、亀田大毅の父・史郎氏についてはセコンドライセンスの無期限停止処分、興毅選手には厳重戒告の処分が下された。
この試合をめぐっては、試合を中継したTBSに試合終了から12時間のあいだに「実況・解説が亀田寄り」などといった1,500件近い苦情が殺到していたが、反則を指示する亀田父・史郎トレーナーや兄・興毅選手の発言が、この実況の音声に拾われて明るみに出てしまったのは何とも皮肉な話である。
しかし、TBSへの不満はついに同局の番組出演者からも上がり始めている。
07年10月14日放送の情報番組「サンデー・ジャポン」ではコメンテーターのテリー伊藤氏が、TBSの実況中継について「最低だったと思う」と批判。内藤選手が右まぶたから出血した際にアナウンサーが「このままだと亀田が勝つ」などと述べたことについて、
「TBSは亀田応援しているから、このまんまドクターストップだったら亀田勝つかもわからない、とこんなふざけたこと言ってるわけ」
と指摘。大毅選手が内藤選手にレスリング行為を行い「若さが出た」などとアナウンサーが指摘した点については「あんなの若さでもなんでもないですよ!」と怒りを露にしたうえ、「ほんとTBSもぬるいよね。悪いことは悪いとちゃんと言ってやんないと」とTBSを猛批判した。
さらに、「サンデーモーニング」では、写真家の浅井慎平氏が「(亀田一家を)あれだけ持ち上げた世間というのもね。反省してもらいたいなと思う」と指摘。金子勝さんも「下品なだけで亀田の言っていることは説得力はない。やられてみんなにザマー見ろって思われちゃうのはちょっとしょうがないんじゃないか」とも批判された。
大毅の「独占激白」放送、何故か突然削除
07年10月15日放送の「みのもんたの朝ズバッ!」でも、みの氏までもが「目に余るところがありましたね」「こういう不祥事が続くのは情けないです」と大毅選手を批判した。
TBS系の番組でも大毅選手を糾弾したり、局自体を批判することが「まかり通る」事態になってきた。
さらに、不可思議な現象がTBSに発生している。
亀田兄弟のオフィシャルホームページには07年10月14日の時点では同局のドキュメンタリー番組「バース・デイ」(18日放送予定)に大毅選手が「独占激白」することが掲載されていたが、10月15日の時点で何故か突然削除。一方で、内藤選手のホームページには「TBS系列の番組『バース・デイ』で王者の映像が流れます 世界戦の舞台裏密着/勝敗を分けたポイントです」と告知されている。TBS番組制作者にJ-CASTニュースが聞いても「何も決まってない」という答えしか返ってこなかったが、少なくとも問題の試合を受け、TBSの番組編成がこうした状況に対応せざるを得ない状況になっているのは確かなようだ。
ネット上ではお笑い芸人・なべやかん氏が10月12日~13日にかけて、実際に「内藤・亀田戦」を観た体験を交えながらブログで次のようにメディアについて綴ったことが話題になっている。
「(試合会場は)亀田選手のファンだらけだと思ったら、亀田選手の応援は全体の3割いるかいないか。後は内藤選手の応援だった。この時、ボクシングファンはわかってるんだ、テレビに騙されてないんだって嬉しくなった」
「(興毅選手について)今回試合が中止にならなかったら、どんな相手とやっていたんだろう?またわけのわからない外国人選手かな?それをいかにも強そうに報道して。あるある大辞典みたいなバラエティーで嘘は許されなくて、なんでスポーツはOKなんだろう?」
この発言はネット上で大きな反響を呼び、激励のコメントが3,000件以上寄せられた。