「ニコニコ動画」の単月黒字化は結構微妙
会場からは「ニコニコ動画」についても、質問が相次いだ。ユーチューブとの違いについて聞かれると、
「ユーチューブの場合は、動画自体が面白くないと見る気にならないんですけど、ニコニコ動画の場合って、ものすごくつまらないものを見た時に、『ものすごくつまらない』って罵倒しているのが面白かったりするんですよね」
と、「動画+コメント」でコンテンツとして面白いものになっている、と説明。回線容量の問題で、無料で登録できるユーザーの利用時間を制限していることについては、サーバーの増強を進めているとしながらも、
「いつごろそれ(時間制限の問題)が解決するかというと、誰も分からない状況になってしまいました。先月ぐらいでは、1人あたりの(視聴時間)平均が1時間見るか見ないかぐらいだったんですけど、最近は1人当たり2時間とかなっていて…」
と、急速にデータ量が増えていることから、問題解決のめどが立たないことを明らかにした。ニコニコ動画をめぐっては、08年9月期には単月黒字を目指す方針が明らかになっているが、ひろゆき氏は、この見通しについても懐疑的なようだ。講演後に行われたJ-CASTニュースなどとのインタビューでは、このように、データ量の急激な増加が業績に影を落とす可能性を表明している。
「今の状況で設備を増やすことができていて、かつ、会員がそのままの速度で増えるのであれば、計算上(単月黒字に)なるかも、って話です。いわば、捕らぬ狸の何とやら。1人1時間だったもの(視聴時間)が2時間になるってことは、設備投資が2倍になるってことじゃないですか?コストが2倍になるので、単月黒字になるまでの壁がどうなるかって言うと、どんどん遠のく訳じゃないですか。そういう意味では、(単月黒字化は)結構微妙な感じですけどね」