TVに出られない寂しさから、自分の毛をむしる
「市原ぞうの国」の坂本小百合園長も、
「TVに出ることは何のストレスもない。それどころか、大好きなんです」
と話す。バスで移動するのも、外の景色を見るのも、テレビ局のスタジオで出演者やスタッフと触れ合うことも、スマイル君はとても楽しみにしているのだという。「チンパンニュースチャンネル」の撮影は2~3週間に1回で、4時間ほどで終了する。
実は11日に放送された「チンパンニュースチャンネルSP」の「市原ぞうの国」での収録は07年1月だったのだという。なぜ園内で収録したかといえば、06年9月に環境省から事情聴取され、以降は園外での番組収録は自粛。「SP」の放送も07年春の放送予定だったのが、半年延びてしまった。そして、テレビ局に行かなくなったことでスマイル君がより元気になったかといえば、全く逆のようなのだ。
「寂しさからなのか、自分で自分の毛をむしったりするんです。彼の楽しみを奪わないで欲しいと言いたいんです」
坂本館長は、今後、どのテレビ局でもチンパンジーが出演する番組は作らない、と考えている。それほど、動物保護団体や環境省からの圧力が強いようなのだ。
「アメリカでもチンパンジーのキャスターがいたり、映画出演しているのに、日本ではタブー視されるとすれば、全くおかしなことです。メディアに出なければ、皆さんの興味が無くなってしまうだろうし、あんなに賢いのに、動物園で見るだけでは『檻をガチャガチャやってる動物』などの間違った理解になってしまうことにもなりかねないのです」
と坂本館長は憂いている。